第10話 愛
良太の家は朝からバタバタしていた。
母親「良太、支度出来た?」
良太「いましてる!!」
アルゴ≪早くしろ≫
良太≪わかってるよ!!≫
そして、家のドアの前に立つ。
良太(まだだめだ・・・)
アルゴ≪開けるぞ≫
良太≪お願い≫
良太と母親は電車に乗る。
母親「きょうからおじいちゃん家ね♪」
良太「うん♪楽しみだ♪」
アルゴ(遠出というやつか・・・おもしろい!!)
おじいちゃんの家に夏休みを利用して、遊びに行く。ごく普通の旅行だ。
良太「おじいちゃん♪」
おじいちゃん「お、良太。大きくなったな。また」
良太「エヘヘ」
アルゴ≪もうオーバーホール間近だな。≫
良太≪そういうのは良くないぞ!!≫
アルゴ≪わからん≫
おじいちゃんの家に上がる、良太達。
アルゴ≪日本家屋か!!なかなか、いい情報が集まりそうだ≫
良太≪アルゴは、情報大好きだな≫
アルゴ≪あたりまえだ!!機械だからな!!≫
良太≪わからん≫
おじいちゃんが良太に話しかける。
おじいちゃん「将棋でもやるかい?良太?」
良太「うん♪」
良太はおじいちゃんと将棋をさす。
おじいちゃん「王手だ」
良太「待った!!」
おじいちゃん「良太は、待ったが得意だな♪それだけはうまい」
良太「だって・・・これしないと勝てないもん」
アルゴ≪手伝ってやろうか?≫
良太≪えっ?≫
アルゴ≪俺なら楽勝だ。こんな老いぼれ≫
良太≪おじいちゃんを馬鹿にするな!!お前の手は借りない!!≫
アルゴ≪わからん≫
将棋が終わる、おじいちゃんがおやつを持ってくる。
おじいちゃん「せんべい食うか?」
良太「食べる♪」
バリバリ音を立てながら食べる良太。それを優しく見てる、おじいちゃん。
おじいちゃん「慌てなくてもおやつは逃げないよ」
良太「わかってるよ」
アルゴ≪なにを当たり前なことを≫
良太≪比喩表現だよ≫
アルゴ≪くだらん。言葉遊びというやつか≫
良太≪会話っていうのはそういうもんだ≫
アルゴ≪なんでやねん!!≫
良太≪どうしたの・・・アルゴ≫
アルゴ≪言葉で遊んでみた・・・やっぱりつまらない≫
夕食を食べるときに、母親が話す。
母親「おじいちゃんもこっちに来たら・・・」
良太「そうだよ。一緒に暮らそうよ」
おじいちゃん「うれしいけど・・・断るよ♪」
母親「・・・」
おじいちゃん「ここには、ばあさんとの思い出がいっぱいつまってるんだ」
「わしはここがいい♪」
アルゴ≪思い出が詰まってる?目に見えないぞ、そんなものは。詰まりもしない≫
良太≪アルゴ・・・思い出はみえないんだよ≫
アルゴ≪過去ログだろう。文字列で残しておけ≫
良太≪文字列とは違うんだよ・・・≫
アルゴ≪奇奇怪怪だな≫
おじいちゃんと一緒のお風呂に入る良太。
おじいちゃん「腕時計壊れないか?」
良太「これは防水仕様だから」
おじいちゃん「お風呂にまでつけるなんて、偉く気に入ってるんだな、それ」
良太「う・・・・ん」(どうだろう?)
アルゴ≪しつけが必要だな・・・電気でも流すか≫
良太≪勘弁して下さい。おじいちゃんも感電しちゃうから!!≫
布団に入る良太とおじいちゃん。
おじいちゃん「どうだ、中学校は?」
良太「楽しいよ。友達もできた」
おじいちゃん「そうか、よかったな。どんな子だ?」
良太「金髪だけど・・・すごくいいやつなんだ。公太って言って。」
「金髪だけど不良じゃない。」
「俺の為に怒ったりしてくれるんだ。」
おじいちゃん「そうか。公太を大事にしろよ」
良太「えっ?」
おじいちゃん「人の為に怒れるやつはいいやつだ。そいつは手放しちゃいけない」
「出会いってのは、多いようで少ないものだ」
「だから、それは大事にしろ」
良太「うん」
アルゴ≪多いと少ないって矛盾してるぞ≫
良太≪強調してるんだよきっと。少ないことを≫
アルゴ≪わかりづらいな・・・いつも≫
そして、楽しい時間はあっという間に過ぎていく。最後の日になってしまう。
良太「おじいちゃん・・・また来るね・・・」
おじいちゃん「いつでもおいで。」
「それと、悪いことはしちゃいけないぞ」
「人の為になることをしなさい。」
良太「はい」(いつも、最後はこの言葉だな、おじいちゃん)
良太は家に帰ってくる。そして、布団にはいる。
アルゴ「久々の感情コーナ♪」
良太「安定しないな・・・その機能は」
アルゴ「どうだったんだ?この旅行は?」
良太「そうだな・・・これは・・・」
「愛なのかな・・・やさしさなのかな・・・おじいちゃんが」
「いっぱい遊んでくれた。孫への愛情かな」
アルゴ「そうか・・・愛か。」
良太「う~ん。そうしておこう」
アルゴ「愛か。覚えとく」
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