第9話 やさしさ
学校では一学期が終わり、夏休みに入った。公太が良太の家を訪れる。
公太「良太!!」
良太「公太、あがってくれ」
良太の部屋へ移動する。
公太「すげぇ、色々あるな」
良太「あんまり見られると恥ずかしい」
公太「わぁ、ゲームじゃん♪」
良太「公太・・・今日は宿題やりにきたんだろう・・・夏休みの」
公太「そうだった。そうだった。」
良太の部屋のテーブルに教科書を広げる二人。
公太「う~ん」
良太「う~ん」(だめだ・・・あんまわかんない)
良太はアルゴに話しかける。
良太≪アルゴ先生教えてください≫
アルゴ≪この前は教えるなと言ってたぞ≫
良太≪あれはテストで。これは宿題だ!!≫
アルゴ≪勝手だな・・・お前は≫
良太が問題を解きだすアルゴにならって。
アルゴ≪そこの漢字は、境内だ≫
良太≪きょうないって書いて、けいだいなの?≫
アルゴ≪お前らが作ったんだろう?≫
良太≪僕ではない・・・≫
アルゴ≪中国か・・・≫
公太は良太に質問する。
公太「ここがわからん。良太」
良太「どれ?」
公太「この方程式ってなんに使うんだ?」
良太「えっ?」
アルゴ≪馬鹿だなこいつは、めちゃくちゃ使うぞ。≫
良太≪そうなの・・・・≫
アルゴ≪当たり前だ!!未知数の解を求めるんだ!!使わないわけがない!!≫
良太≪アルゴはそうだね・・・めちゃくちゃ使ってそうだね・・・≫
良太「公太・・・めちゃくちゃ使うらしいよ・・・方程式って」
公太「げっ!?」
母親が入ってくるお菓子と飲み物をもって。
母親「これ、休憩の時食べてね♪」
公太「ありがとうございます!!」
母親「ふふふ。いい子ね、公太君は」
公太「えっ?」
母親「人は見た目じゃないわね。良太をよろしくね♪」
公太「まかしてください!!」
良太(・・・今俺がまかされてるほうが多いきがするぞ・・・公太)
アルゴ≪俺がまかされてる方が多い気がするぞ、良太≫
良太≪アルゴ先生のおっしゃる通りです・・・≫
そして、休憩に入る二人。
公太「うまいな♪こんなお菓子初めて見た」
良太「父さんが海外にいるから送ってくるんだ」
公太「良太のとうちゃんって、なにやってんの?」
良太「なんかの研究・・・よくわかんないけど」
公太「頭よさそうだな」
良太「いいとは思う・・・」
アルゴ≪そっちに作ってほしかったな≫
良太≪失礼な!!≫
公太が話ははじめる。
公太「俺の父ちゃんは消防士だったんだ」
良太「えっ?」
公太「自慢の親父だ。かっこよくて。火事の中、人を助けて死んだんだ」
良太「・・・」
公太「だから、俺は悪いことはしない。とうちゃんに迷惑かけたくないからな」
「あっちで怒られたら怖いし♪」
良太「助けるか・・・すごいな。公太の親父は」
公太「おう♪」
アルゴ≪善意ってやつか?世の中の役に立たないんだろう?≫
良太≪・・・公太のお父さんは違うよ・・・≫
公太は続けて話始める。
公太「俺が金髪な理由は」
良太「えっ?」
公太「あれ、もう興味ない?」
良太「いや・・・言いたくないって」
公太「良太には話したくなったんだ。俺の全部を」
良太「えっ?」
公太「良太になら話していいと思った。話したいんだ」
良太「わかった。聞くよ」
アルゴ(まどろっこしい生き物だ・・・人間は)
公太「俺が金髪にしてるのは、かあちゃんとのつながりなんだ」
良太「つながり?」
公太「かあちゃん金髪だったろう」
良太「そうだね」
公太「だから、息子である証として、俺も金髪にしたんだ!!親子っぽいから」
良太「そういうことか」
公太「これは親子の証なんだ。かあちゃんは嫌がってたけど・・・」
良太「俺は好きだぞ!!公太の金髪!!」
公太「へへへ」
良太(公太は、いいやつだほんと・・・)
アルゴ≪わからんな≫
良太≪アルゴにはまだ早いかもね。この感情は≫
アルゴ≪良太先生に教えてもらわなければな≫
良太が話始める。過去の出来事を。
良太「俺も公太に話しおきたいことがある。俺は、昔いじめにあったんだ」
公太「そうか・・・」
そして、良太の過去の出来事を聞く。公太は荒れ狂う。公太は最後唇を噛みしめながらいう。
公太「なんだーーーーー!!それーーーーーーーーーーー!!」
「ふざけやがって!!俺は許さないぞ!!」
「今からそいつらを殴りにいく!!」
良太「ちょ、ちょっと公太!!」
公太「良太は何も悪くないだろう!!ダメだそいつら!!」
「悪いやつだ!!俺が成敗してやる!!」
良太「もういいんだ」
公太「良くないだろう!!そんなの!!」
「なんで悪いことしてない良太だけが傷ついてるんだーーー!!」
「俺の友達に手を出して傷つけたんだ!!許すわけにはいかない!!絶対に!!」
良太「公太、落ち着いてくれ」
公太「良太・・・でも・・・」
良太「俺はお前と友達になれたから・・・それでいいんだ。もういいんだ」
公太「・・・納得はできない・・・」
良太「・・・・ありがとう公太・・・」
アルゴ≪友情ってやつか≫
公太は帰り際に良太の母親に告げる。
母親「いつでも来てね♪公太君♪」
公太「おかあさん!!良太がいじめられたら俺が助けますから!!」
母親「えっ?」
公太「絶対助ける!!次は!!」
母親「・・・ありがとう・・・」
良太「・・・」(ばかだな・・・公太は)
そして、食卓で母親と話す。最後そっと良太を抱きしめる母親。
母親「いじめにあっていたのね・・・」
良太「うん」
「けど、もう大丈夫だよ。ごめん言えなくて」
母親「気付いてあげられなくてごめんね・・・良太」
良太「・・・・」
良太は布団でアルゴと話をする。
アルゴ「きょうの感情は?」
良太「やさしさかな・・・」
アルゴ「どうしてだ?」
良太「公太がやさしくて・・・かあさんがやさしくて・・・胸がいっぱいだ」
アルゴ「胸がいっぱい?俺に胸はないからな。わからん」
良太「そうだな。けど、感情がわかったらそうなるかもな♪」
アルゴ「?」
「まぁ、覚えとくよ。やさしさ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます