物語のすすめ

手順04「詳細設定を決める」

　主要国家と周辺国家、その関係性や文化がなんとなーく見えてきたら詳細に入って行きましょう。この辺り、事前にどのくらい細かく設定を決めるのかは人それぞれ大きく違うと思います。

　詳細設定となると、どんどん汎用性はなくなりますが具体的にはなっていきます。本当は画像つきで解説出来れば楽なのですが。

【手順】

01：主要都市を決める

02：歴史を考える

03：経路を描く

04：地域をブロックで分ける

　今回手順は４つほどあります。このどれもが設定と行き来して相互に形づくっていきましょう。

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【01：主要都市を決める】

　前回の仮設定から考えるに、共和国と帝国という主要国があります。主人公たちと、やりたい物語から本舞台となる国を決めましょう。実際に登場人物たちが動き回る国ですね。

　今回は、敵対する帝国はあるけれど共和国内で「自分たちの生活を行う主人公たち」にクローズアップした物語としてみます。

　そうなると何より必要なのは「共和国」の詳細設定です。共和国と決めた国周辺の地図と睨めっこしましょう。

　前回決めた首都や聖域がありますね。では彼らは何処で糧を得るのか。首都に食糧を供給するのはどのあたりか。交易品、収穫物などは何処なら得られそうか決めていきましょう。

・食糧

・交易品

・鉱物など

　それらの産地は主要都市として発展しやすいですし、あと帝国と敵対関係ならば砦になりそうなポイントもチェックしていきます。

　必要なのは「共和国領土内で重要度の高い地域」の算出です。

　この時基本的な衣食住も決めてしまいましょう。

　食事の基本メニューと、採れるもの。住居に使える建材など。

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【TIPS】

・人の食に関する営みはざっくり言って「糖分の精製」です。

　農作物が種のために土などから精製して貯めたエネルギーを得て、貯蔵のために水分を飛ばし、食べる時に水で戻す。その過程と方法に違いがあるだけです。

（＊私個人の偏見です）

・主食となる麦は稲ほど分離が簡単ではないのでまとめて粉に挽いてしまいます。そのため粉ひき方法と、品質の差が出てきます。

・稲は面積単位の収穫は大きいですが手間と、大量の水が必要です。

・その他主食となりうる穀物（とうもろこし、ジャガイモ、そば）は特性が違いますが、だいたいは麦など基本の主食が育ちにくい地域で代用品とされます。

　はじめから麦が育ちにくい地域なら扱いは違いますが、異世界ファンタジーのパン生活から見るとそういう扱いが多いです。

　食は私の勝手な分類では３つで考えて設定しています。

・主食。パンなど基本一種類が重宝される。

　「糖分＝パンなど脳に関する主要エネルギー」

・肉類。羊、豚、魚など生活様式で変わる。

　「タンパク質＝筋肉や細胞などの部材」

・野菜や果物。細かく見ると難しい。

　「ビタミンなど、その他の栄養素」

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【02：歴史を考える】

　地域と重要地が見えてきたら、その辺の歴史を考えてみましょう。例えば、鉱物の産出はある程度生活が落ち着いてから着手されるでしょうから歴史は浅いはずで、発展したばかりだとか。

　敵対する帝国との小競り合いで戦乱に巻き込まれた地域や、その歴史から砦や駐屯地が設定出来たり、〇〇年前になど具体的な事例を決めておくと「そこに関わった組織や人物」を物語に絡めることが出来ます。

　また交易品や希少品、果物なども管理されるまでの経緯や、そこで発展した商会などを決めることが出来ます。

　細かい年数はまだ決定できませんが、前後関係や順番を整理しておくと良いでしょう。

【03：経路を描く】

　重要度と歴史が見えてきたら、それらを繋ぐ経路を地図に書いてみましょう。重要な地点と地点との行き来は大切ですから整備されますし、より具体的に国の体制が見えてきます。

　歴史の段階で設定した、戦乱のあった地域なら。軍の出動用に大きな道があったり、崩れたまま直せていなかったり、そのために迂回路があったり。

　海路や川での行き来など、重要な道が交わるなら休めるよう宿場町が出来て中規模の街になっているかもしれません。

【04：地域をブロックで分ける】

　そうした経路を書き加えてみると、さきほどの地域重要性と合わせて地域ごとのまとまりが見えて来ると思います。何もない道だけが繋がった部分と、重要地点に近く宿場町など発展した場所があるだろう地域と。

　そうした部分を色分けして各ブロックごとにすれば、それはそこを管轄する領主の違いとなります。重要地点ごとにその辺一帯を管理する重要人物の勢力分布ですね。

　方針や税の違い、場合によっては法の違いがそのブロックごとに設定することが出来ます。

　同時に、ブロックから外れた部分は重要度の低い放置された地域とか、犯罪者が出る場所だとか。何かあっても領主が出て来る事はほぼないだとか設定を詰めることが出来ます。

　こうして各地域の詳細を詰め、必要そうならば周辺国や帝国の一部も同じように作業をしていけばオリジナルの異世界地図が完成します。

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　どうでしょうか。最初はふにゃふにゃしていた地図も、これだけ書き込めば立派な周辺地図になったのではないでしょうか。相互作用で設定や物語の輪郭もはっきりしてきている、はず……。

　一応参考までに、地図作成に関して私がまとめて画像をtweetしたものがありますのでリンクを貼って、地図に関する記事はここまでにしようと思います。

（https://twitter.com/SousiNagi/status/1185895418573414405）

　小説を書く時に惑星から地図を描くと言ったら驚かれたので書いてみようと気軽に追加した記事だったのですが、まさかここまで長くなるとは！

　というわけで、多少なりとも皆さんの創作の助けになってくれれば良いなと思いつつ。きりも良いので創作語りは一度おしまいにしようと思います。

　また機会があれば、国ごとのライフサイクルだとか、プロットでの勢力別に決めることだとか。

　追加することもあるかもしれませんが、ここまでお付き合いありがとうございました！