手順03「エピソードを並べる」
配分によってページ数が決まれば、あとは具体的に書く作業。ではあるのですが、多くの人がお話を書く前段階で「こういうお話にしたい」というイメージやメモ、思い浮かんだエピソードなどがあると思います。
少し話が前後して、スケジュールの項目で触れましたが「プロット」はスケジュールで言うところの実働ではなく「作業時間(準備)」にあたります。プロットで話の骨組みを考えつつ、世界観や設定、登場人物などを練っていくのが、私の手法です。
なので次は「世界観や設定」について触れていきたいのですが、その前に、その過程で生まれたエピソードについてです。
物語の創り方や、その手順は人によって大きく違いますが、私はシーンから入ります。真っ先に、世界観やどんなお話か決まる前にも関わらず、なんらかのシーンが浮かんできて、そこを描きたい。となります。
これと違ってキャラから入る人も当然いるでしょう。登場人物たちの掛け合いや、やりとり。いずれにしても最初にふっと浮かぶのか、世界観やプロットを練っていて浮かぶのか、描きたいエピソードがどんどん膨れるものと思います。
そこで、作っておいたプロットと配分が役に立ちます。
例で具体的に見てみると、思い浮かべたシーンやエピソードが、
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起:出会い(全24ページ)
01:いつもの日常 (6ページ)
02:訪問者 (9ページ)
03:問題(小)と解決(9ページ)
承:親交と問題(全72ページ)
A:親交(A配分18ページ)
A01束の間の休息 (6ページ)
A02ギクシャクする二人(6ページ)
A03深まる絆 (6ページ)
B:親交と問題(中)(B配分27ページ)
B01踏み込めない壁 (9ページ)
B02問題(中) (9ページ)
B03解決。判明する問題(大)(9ページ)
C:問題(大)への準備と対処(C配分27ページ)
C01迫る敵と妨害 (9ページ)
C02絶対の策とは (9ページ)
C03決戦前夜 (9ページ)
転:トラブル(全18ページ)
表:問題(大)への成功と失敗 (9ページ)
裏:全ての解決策 (9ページ)
結:解決(6ページ)
・そして新たな日常へ
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こういうプロット一覧と見比べることで、どこに入れればいいのかすぐにわかるからです。
日常シーンなら「承」のうちの、ほのぼの方向ならAの何処かに、ある程度シリアスさも孕む伏線的なやり取りがあるならBかCの何処かに。そしてページ数が配分されているので、並べてみれば、思い浮かべたシーンが「量的に入るかどうか」もわかります。
日常シーンばかり浮かべていれば「ちょっと過多だから取捨選択しなければ」とバランス取りができます。
これらは上の例に並べるとごちゃごちゃして見にくくなってしまいますので、エピソードはエピソードごとに並べて「承A02」と、プロットの何処に入れる話なのかタグのようにつけておくと管理がしやすいと思います。肉付けし過ぎて検索能力が落ちては本末転倒ですので。
とまぁ、ここまでを要約すれば「スケジュール」も「プロット」も、全体図を作っておけば状況を俯瞰し、選びやすくなる。ということです。
これが前に触れた、中だるみや、どうするか迷った時に有効で、以前から中だるみで悩んでいた私は動けるようになりました。考えすぎてしまう、という人にも役立つかもしれません。
この「プロット」と「スケジュール」があれば、スケジュール進行のページ数とプロット配分のページ数を見て、今自分がどういう狙いのパートで、どういうシーンを書かなければいけないのかをすぐ振り返ることができます。書く内容と、焦るべきかじっくりやる余裕があるのかの進行度合いで、自分をコントロールしていきましょう。
そして長編は書けないとお思いの、短編書きの方。こうしてプロットでパートごとの方向性とページ数を出しておけば、あとはその方向性の短編を、必要ページ数まで並べるだけで、ほとんど長編は完成出来ると思います。
繋ぎが苦手ならば、ちょっとした日記風にして、それが時系列に並ぶような長編にもできます。そこは演出ですね。
長編を下準備も何もなく、書き上げられる人は天性のものを持っています。真似しようとしても難しい。
これは地図を持たず長旅をしようというようなものだと思います。私含めて、不安がある方は、旅に出る前は食糧や道具、なにより地図の準備をして出かけましょう。
思いついていた素晴らしいシーンに立ち寄りたいなら、それが地図上でどこに位置するかを見ておかなければ、辿り着くのが難しい。そのシーンに時間をかけ過ぎれば、予定の航路は取れず、物語という足跡は地図上で同じところを足踏みしてしまう。
うん。ちょっと言ってみたかっただけです。全然うまくないですね。ここまで長々と読んでくださった方が、長編へチャレンジする際、少しでも参考になればと思い、まとめてみましたが、何か使えそうな部分はありましたでしょうか。
いいところ取り、とまでは行きませんが、使ってみようという部分がありましたら、是非持ち帰って試してみて、自分流に長編小説を書いてみてください。
それでは、次はそろそろ汎用性がなくなってきそうですが「世界観や設定」について、自分なりのものをまとめてみたいと思います。
興味があればまた!
それでは良いカクヨムライフを。
*この項目からカクヨム上で書いてみました。今まではメモ帳で書いたものをうつしていましたが、こちらの方が読みやすく出来たので、次回からはカクヨムで書いて行こうと思います。
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