マハーラーシュトラ州

 妹の眩しさに目覚めると、妹中にたくさんの妹が散らばっていた。僕はやれやれとその妹にたっぷり五分間悲しんで、妹を跳ね退けて妹から飛び起きた。妹に散らかされた妹を妹の中に元あったように畳んで戻すと、僅かに開いた妹の隙間から、妹の外まで妹が置き捨てられているのに気付いてしまった。

 僕は妹をして妹を拾いながら妹を降りて行き、妹で妹を見ながらくつろぐ妹と妹と妹に「おはよう」と妹をかけた。妹は妹に釘付けになりながら短く妹を返し、妹は熱く熱された妹に妹を割って妹を落としてから同じく妹を返した。妹は、妹に妹掛けて妹のまま妹に妹を向け、「ごちそうさま」と食べかけの妹をそのままに妹を出ていってしまった。

「なにかあったのか」

 妹は見つめていた妹から一瞬だけ妹を逸らし、妹で妹を作る妹にそう訊いて、

「昨晩喧嘩したんですって」

 呆れたように僕を見てそう言った。たしかに僕は自分の妹を勝手に食べたからといって妹にきつく言いすぎたかもしれないが、そもそも妹が僕の妹を食べなければこんな妹にはならなかったはずである。

 僕はすっかりくたびれた妹に座って、すっかり冷めた妹に妹を塗って齧りついた。妹には妹をかける妹も多いようだが、僕は妹には妹がぴったりだと思っている。妹の濃厚さもたまらないが、妹のあっさりした感じが妹にうってつけであると思うのだ。

 僕はゆったりと優雅な妹をとりながら、妹に流れる妹へ妹を向けた。どこかの妹で妹が妹したらしい。幸い妹はいなかったようだが、多くの妹の妹に妹が出ているようだ。

「お前は大丈夫なのか」

 妹が僕に訊く。

「何が」

「電車だよ。お前、学校は」

「その子は自転車通学ですよ。電車使うほど遠くの学校じゃないです」

 妹が呆れたように妹に指摘し、妹は「そうか」とだけ言って再び妹を見つめた。妹は僕や妹にはてんで妹がないらしく、いつも妹の妹の妹ばかり考えている。妹にとっては妹が妹であり、それ以外の妹などは妹の外なのだ。


 妹を終えると、僕は妹指定の妹を着て、妹指定の妹を履き妹を出る。妹へ向かう妹はすでに妹の妹が多く、それを見なくなったら僕は妹が確定しているという妹だ。

 すれ違う妹に妹をし、妹達も妹を返して妹で妹へ向かう。妹する妹もないこの妹の妹で、僕だけがたしかに妹な妹なのだと、どこかで自覚しているのも妹だ。




 僕の妹は妹なのだが、しかし妹の妹ではない。妹は妹が連れてきた妹で、妹と妹の妹ではないのだ。妹がついた妹から妹は僕の妹であるのでその妹を忘れてしまいそうになるのだが、時折、妹が着替えをしているのを見てしまった妹などは、ふと妹が妹でなく妹の繋がらない妹の妹なのだと思いだしてしまう。それは妹な妹であるが、それでも妹が許さないだろう。

 妹とは同じ妹だが、一妹違うので同じ妹ではない。しかし、妹は同じ妹なのではないか、あるいは僕より一つ妹なのではないのかと疑っている。

 妹は僕より妹ができるし、妹も抜群だ。だからか、妹は僕に妹がないようで、あまり僕と関わろうとはしない。妹にとっては妹が妹であり、妹の事はどうでもいいのだ。妹そっくりなその妹は、きっと遺伝したのだろう。

 仮に、もし僕が妹の事を好きだと言っても、妹は妹にしないだろう。妹は妹なので妹に対して妹であり、飽くまでも妹は妹なのだ。

 僕は重くなった妹を抱えて深く妹をつき、妹が待つ妹へと向かって歩いた。




"महाराष्ट्र"Closed...

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