第5話彼氏ですけど何か?【戦編後編】

昨夜、戦ちゃんの家に泊めてもらい、戦ちゃんの家か直接学校に行った。


「白君、黒原 戦って子だけど。彼女の家極道だよ」

「あぁ、俺も昨日本人から聞いたよ。それでさぁ」

俺は彼氏のふりをしないといけない事を優と迅に話した。

「えっ!それって大丈夫なのか?」

「大丈夫じゃないよ。本当にどうしたもんか」

「白君、正直に言ってみるって事はできないの?」

「無理、戦ちゃんのお父さん普段チャラいけど、

やっぱり極道、すっごく怖かった」

「そんなに怖かったのか?」

「普段の時とのギャップもあるからかスゲェ怖い」

「な、なるほど。それはお前大変だったな」

「あぁ、めっちゃ長い間気を張ってたから疲れたよ。寝室も戦ちゃんと同じ部屋だったし」

「それはどういう事だい白君」

なぜか、優がすごくではなくすっごく怒ってる。

「いや、何で怒ってんだよ」

「別に全然怒ってなんかないよ。それより、一つ年下の女の子の後輩がいいなら、恋人のふりなんかじゃなく本当に付き合っちゃえばいいじゃないか。ふん」

と明らかに怒ってる。小声で迅に話しかける

「おい、何で優急に起こり始めたんだ?」

「怒ってる理由は言えないが、明らかにお前が悪い」

「はぁ、何でだよ?」

「自分で考えろ」

全然わからんこの日優は1日ずっと怒ってて、口も聞いてもらえなかった。


その日の放課後は一旦家に帰ってまた、戦ちゃんに行くことになった。

「いらっしゃいませ、白先輩。どうぞ、おあがりください」

「お邪魔します」

昨日は連れて来られる時、気絶してたからわかんなかったけど。戦ちゃんは山の中にあってその山全部戦ちゃんの家の敷地らしい。いったいどんな悪いことをすればこんなに金持ちになれるんだろう。

「戦ちゃん、昨日戦ちゃんが言ってた戦ちゃんの婚約者ってのはどうなったの」

「あちらの方ご両親にもお話ししたのですが、聞き入ってもらえず。今日もその事で向こうの方のご両親とわたくしの父で話をしに行ってます」

「相手はどんな人なの?」

「相手の方は一流会社の社長の息子で、本人もこの間会社立ち上げ20代で社長をしているそうです」

なんだよそのドラマでありそうな話は。そんな話はドラマの中だけにしてくれよ。

「相手の顔はわかるの」

「はい、一度だけお会いした事があります。

その方はわたくしにとても優しくしてくれたのですが、どうもとても嫌な感じがして怖いのです」

「そ、そうなんだ」

「まぁ、その話はあとでするとして今は楽しんでお食事をしましょう」

そうやって案内された部屋にはいると、高級ルレンチみたいな料理が用意されていた。

「昨日も思ったけど、こんなに高そうな料理いただいていいのかな?」

「もちろんです。さぁ先輩召し上がってください」

「じゃあ、お言葉に甘えて。いただきます」

うわぁ、スゲェ美味い。昨日も美味しかったけど、今日のも凄い美味しい。何この肉舌の上でとろけるんですけど。そのあとも、一つ一つの料理に感激しながら食事をいただいた。そして今日も泊まる事になった。さすがに今日は違う部屋に布団を敷いてもらった。布団に入り寝ようとした時。

「白先輩、まだ起きてらっしゃいますか?」

「うん、起きてるよ」

「入ってもかまいませんか?」

「うん、いいよ」

「失礼します」

そう言って。戦ちゃんが部屋に入って来て。

「あの、白先輩お願いがあります」

「何?」

「わたくしと本当に恋人になって契りを交わしてください」

「えっ?えー」

「いや戦ちゃん。冗談よしてよ」

「冗談なのではございません。私は本気です」

「えっ、いやだって俺には好きな人もいるし」

「なら、私を好きになってください。私では嫌ですか?私ではダメですか?」

「えーと、だからその」

涙目でそう訴えてくる彼女にどう言っていいのか言葉が出てこなかった。

何この状況、俺は戦ちゃんの恋人のふりをしてるんだよな。俺があたふたしていると、バタバタとこちらに走ってくる足音が聞こえてきた。

すると、色葉さんが部屋に入って来た。

「大変、今から翔也君と婚約者の人も家に来るみたい」

「えっ?なんでですか?今翔也さんたちは婚約の話をなかった事にするために話し会いに行ってたんじゃあ」

「それが翔也君たら、婚約者の方にむかって戦には君より相応しい男が見つかったか君には戦はやれないって言っちゃったみたいなのよね」

何やってんだ。あの人は

「すみません先輩」

「いや、いいよ。婚約の話がなくなるまで恋人のふりをし続けるって決めたからね」

「先輩、ありがとうございます」

戦ちゃんは俺に向かって深くお辞儀した。

「だからいいって、顔あげてよ」

だけど、どうするここに来るって事は、当然俺も話会いに参加しなくちゃいけなくなるよな。


そうして30分ほど経ちついに相手の人と翔也さんが到着した。

俺と黒原家の三人と相手の人で話し合う事になった。

「はじめまして、戦さん百枝 次郎【ももえだ じろう】です」

「どうも黒原 戦です。ですが私とあなたは以前街でお会いしています」

「そうなのかい?でもすまない、僕は覚えてなくて」

「いえ、お気になさらずに」

「それで、そろそろさっきの話の続きをしようか。こいつが戦の彼氏の神城 白君だ。そしてこっちが株式会社milkmanの代表取締役百枝 次郎君だ」

「どうも、はじめまして。神城 白です」

「なんだ、僕より戦さんに相応しい男だと聞いていたが、ただの高校生じゃないか」

なんだこいつ。失礼な奴だな。

「それで、この男の方が僕より戦さんに相応しい理由を聞かせてもらえるかな」

「彼は偶然、街で困っている私に手を貸してくれました。普段から街の人達を小馬鹿にしているあなたとは違います」

「えっ?なんのことだい?」

「先日街であなたとお会いした事があると言いましたが、その時あなたは商店街の喫茶店の主人にクレームをつけて、もうその辺になさっては?と声を掛けた私に罵声を浴びせたあとあなたは店から出て行きました」

「きっとそれは、誰かと見間違いだよ」

「いえ、見間違いなどではありません。なぜなら、あなたはその時僕が誰だかわかって言ってるのか株式会社milkmanの社長だぞと大声で言っていましたから」

「次郎君今のは本当の事か?」

その質問をした時の翔也さんは俺が生きてきた中で一番怖いと思った。

「そもそも、婚約者の僕が居ながら彼氏を作るなんて何考えてんだよ!」

と立ち上がり言う。百枝さんに対して

「いいから、俺の質問に答えろ。あと、俺の戦がテメェよりシロッチを選んだんだ文句あんのか?小僧」

うわー、まじ怖え。

「クソォ、こんな愛想のない小娘もらってやるっつってんだからおとなしく俺のものになっとけばいいんだ、うはぁ」

翔也さんが殴ろうとしていたが、それより先に俺の拳が出てしまっていた。

「クソォ、なんだんだよ」

「戦ちゃんの彼氏だけど何か?」

「クソォ、親父に言いつけてやるからな」

と逃げるように屋敷を飛び出して行った。

「いや~、シロッチいいパンチだったよ。

これからも、戦をよろしく頼むぜ」

「は、はい」

こうして戦ちゃんの婚約の話なくなったんだけども、まさかあんな事にあるとは。


あの事件のあと翔也さんが戦ちゃんに

「今回の件で百枝 次郎父百枝 寛司【ももえだ かんじ】共これまで通りの関係ではいられなくなった。つまりお前は家にいたら危険な目にあうかもしれない。だからお前は家を出てこれまで通りの生活続けるんだ」

「わかりました、お父様」

えーーー!今回の件ってそんなに大事になっちゃうの?やっぱ極道の家とかって俺たちと住む世界が違うんだ。

「という事で、シロッチこれから戦を頼むぞ」

「へっ?どういう事ですか?」

「だから、家にいたら戦が危険な目にあうかもしれないからシロッチの家に居候させてやってくれ」

「えーーー!」


あの日から数日後

「はじめまして、黒原 戦と申します。どうぞこれからよろしくお願いします」

親父たちには戦ちゃんの家が火事になったから、新しい家が見つかるまで、居候させてやってくれと頼んだ。

「事情はわかったが、ご両親と一緒じゃなくていいのかい?」

「はい、先輩の家にお世話になると話してきました」

美桐は俺の方睨んできて目で「何、後輩の女の子連れ込んでんのよ。変態キモいマジ最低」と言ってきた。ごめんみきりん、でも俺が好きなのはみきりんだけだよ?

「先輩これからずっと一緒に一つ屋根の下で暮らせますね」

と言って、俺の腕に抱きつく戦ちゃんを見て美桐から怒りの炎のようなものが見える。

「ずっと一緒にって新しい家が見つかるまでだよ」

「いえ、これからはずっと一緒です」

これからの生活どうなるんだろ。

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シスコンですけど何か? 江間夜菖蒲 @kareeen

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