第4話極道ですけど何か?【戦編前編】

俺は前に戦ちゃんと会って以来たまに連絡を取り合っているうちに話があい、凄く仲良くなった。今日も放課後これから会う予定だ。

「へぇ、黒原 戦さんかぁどっかで聞いたことある名前だなぁ」

「優お前、戦ちゃんのこと知ってんのか?」

「いや、どっかで聞いたと思ったんだけど、思い出せないや」

「そっかぁ」

「おいおい白、それでその子は可愛かったのか?」

迅がくいつく。

「そうだなぁ、結構可愛かったぞ、まっみきりんほどではないがな」

えっへんという俺の態度に迅はへいへいと流した。

「ってかお前が女の友達作るなんて珍しいな、

俺が知ってるのは優とこの間美桐ちゃんの誕生日会の時いた凛って子しか知らないぞ」

「あぁ、そうだよ、今はこの三人しか女子の友達はいない」

「ライバルは美桐ちゃんを合わせて三人か」

「ん?優なんか言ったか?」

ぶんぶんの顔を横に振る

「いや、なんでもない。ただのひとり言だよ」

「そっか」


放課後になり戦ちゃんとの待ち合わせ場所へ向かう。

「ごめん、戦ちゃん待った」

「いえ、私も今来たところです」

さっきの迅との会話を思い出す。「その子可愛かったのか?」今まで意識しなかったけど、やっぱり可愛いな、みきりんほどではないにせよ。相当可愛い。

「ねぇ、お願いを聞いてもらうって話だったけど、前電話で話した時、戦ちゃん編み物できるって言ってたよね。やり方教えてくんない?」

「ええ、構わないですけど、本当にそんなことでいいんですか?」

「うん、それでお願い。いや~、今年妹が受験生でさぁ、冬までに編み物マスターしてプレゼントしたいから」

「わかりました」

「ありがと」

「それで、お礼がしたいから、頼みごとをしてくださいって言っておきながらなんですけど、こちらからも一つお願いを聞いてもらえますか?」

この時明らかに空気が変わった。

「何かな?俺にできることなら構わないよ」

「私実は」

と同時刻優と迅は二人で会話をしていて、突然優が立ち上がり。

「思い出した、さっき話してた黒原 戦って子ヤバイよ」

「どうしたんだよ、急に」

「あの子」

戦と優が言葉が重なって

「「極道の娘」」

「なんです」

「なんだよ!」

続けて戦が

「なので、私は婚約者を探しているのです。なので、突然ですみませんが、あなたには一緒に来てもらいます」

迅たちの方は

「はぁ、なんだよそれ、早く知らせねぇとヤバイんじゃないか?」

「うん、だから早く電話しなきゃ」

迅が俺に電話をかける、だが、一方その頃俺は後ろから、誰かにスタンガンで気絶させられ車で何処かに連れて行かれていた。


気が着くと俺はどこかの家の和室に寝ていた。

「お目覚めですか?」

俺は戦ちゃんに膝枕してもらっていた。

「あっ!ごめん」

俺はすぐにとびのいた。

「いえ、こちらこそ手荒な真似をして申し訳ありません」

「えっとー?」

記憶が曖昧でよく思い出せないん

「神城先輩、私の彼氏のふりをしてください」

「えっ、彼氏のふり?」

よく状況がのみこめない。

「私の家は代々続く極道で、現当主の父は私が高校を卒業するまでは、結婚も婚約もしなくていいと言っていたのですが、この間父が突然勝手に婚約者を決めてしまい、私はその婚約が嫌で、そこで彼氏がいれば、さすがに父も考え直してくれると思い、先輩をここに招いたのです。」

招いたのですって無理矢理気絶させられて連れてこられたんですけど?

「お願いです。どうか、少しの間でいいので彼氏のふりをしてください」

女の子に土下座までさせてしまった。

「わかった。少しの間だけなら、いいよ」

「ありがとうございます。ではこれから父に紹介するので、お着替えなさってください」

「えっ!?今から」

すると黒服のいかつい人が三人も出てきて無理矢理着替えさせられた。

いったいどうなるんだ俺?


戦ちゃんに恋人のふりをしてくれと頼まれた俺は今から直接、戦ちゃんのお父さんに会うことになった。


「ねぇ、戦ちゃんのお父さんって極道の頭なんだよね?」

「はい、そうです。でも先輩が思ってっるような人ではないですよ」

「本当に?」

いよいよ戦ちゃんのお父さんの部屋の前まで来た。この扉を開けたら極道の頭が、緊張感して来た。戦ちゃんトントンとドアをノックし

「失礼します。恋人の神城先輩をお連れしました」

っと了承も得ずドアを開け部屋に入ると20代ぐらいで髪を金髪に染めていて、耳にピアスをした若い男性が居た。あれ?お兄さんかな?

「お父様、こちら恋人の神城先輩です。

先輩、こちらが私の父です」

えっ?お父さんこんなに若いのに?

「どーも~、戦のパパの黒原 翔也【くろはら

しょうや】です」

うわぁ、チャラ。スゲェチャラ男じゃん。

「初めまして、戦さんとお付き合いさせてもらってます。神城 白です」

「神城 白かぁ、じゃあシロッチだ」

「はぁ?シロッチ?」

「ねぇシロッチ、シロッチは本当に戦を幸せにできる?」

一瞬で空気が変わった。なんかデジャブ。

「は、はい」

「本当に?もしできなかったら、命【たま】とったるけいの~。あぁ~ん」

うわぁ、クソこえぇ。やっぱり極道だ。

「はい、戦を一生大切に幸せにします」

「なら良かったぁ。いや~、もしひ弱な男だったら今から太平洋の真ん中まで行って、沈めてやろうと思ってたんだよ。あはは」

全然笑えね。何だこの人イメージしてたのと確かに全然違うけど、それでも全然こえぇ。

「まぁ、戦の彼氏なんだシロッチゆっくりしていってね」

と俺たちは戦ちゃんの部屋に戻り


「何あの人、若すぎってかチャラすぎ、あのひといくつなの?」

「確かあの人が18の時に私が生まれたらしいですから、今は32歳ぐらいだったと思います」

「お兄さんって、紹介されても信じるよ」

すると廊下から

「戦ちゃん帰ってるの~?」

と女の子が部屋に入って。戦ちゃんの妹かな?

「あっ!ごめんなさいおじゃまでした??」

「いえ、大丈夫ですよ。お母様」

えっ!?お母様?お母さんなの?

「初めまして、戦の母の黒原 色葉【くろはら

いろは】です?」

えー何だこの夫婦どっちも見た目若すぎだろ。

お母さんに関しては中学生かよ!

「こちらこそ、初めまして、戦さんの彼氏やらせてもらってます。神城 白です」

「あはは、大丈夫よ、私はあなたが本当の彼氏じゃないって知ってるから」

「えっ!?」

「実は私も、今回の件に関しては反対なんだけど、翔君たら私の言うこと聞かなくて、本当ごめんなさいね?」

「いえ、自分は大丈夫ですよ」

「そう、ありがと?」

「じゃあ、そろそろ遅いし俺は家に帰るよ」

時計はもう夜の22時を回っていた。

「あら、泊まっていかないの??」

「そうですよ。白先輩泊まっていってください」

「いや、でもそれはさすがに悪いよ」

「いいわよ、うちの娘が無理矢理連れてきたんだから?」

と色葉さんにおしきられ結局泊まることになった。少し遅かったけど晩御飯もご馳走になって、どこの高級旅館の食事だっていぐらい、豪華だった。お風呂も露天風呂やサウナや足湯もあって

本当に高級旅館みたいだった。


寝室に布団を敷いてもらったので、俺は戦ちゃんの家のメイドさんに寝室へ案内してもらった。

俺リアルにメイド見るの初めましてだよ。本当、どんだけ金持ちなんだよこの家。

「どうぞ、こちらです」

「ありがとうございます。えっ!?」

「どうかなさいましたか?」

部屋には布団が敷いてあった、敷いてあったけれど。二枚敷いてあった。何で?

「えっと、何で二枚敷いてあるんですか?」

「恋人同士なのだから、一緒に寝るのは当然だと旦那様がおっしゃってましたので、何かご不満な点がございましたでしょうか?」

「い、いえなんでもないです」

戦ちゃんがお風呂から上がってくるのを待ってる間はすごい長く感じた。

「こ、これはいったい?」

この状況を見た時の俺と同じ顔をした戦ちゃん。

仕方ないので少し布団を離して寝ることにした。


俺たちは布団にはいり

「先輩今回のこと本当にすみません。私の勝手に付き合わせてしまって」

「だからもう気にしなくていいって」

「ですが、先輩」

「俺には、好きな人がいるって話したことあるよね。俺は何がなんでもその人と付き合って幸せにしたい。でもそのためには、今目の前で困ってる人を放っておくことなんて、できないよ。もし困ってる人を見てみぬふりをしたら、俺はその人にふさわしい男じゃなくなってしまうと思ってるから」

だけど、今回の件本当にどうしよう・・・。

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