第3話妹の誕生日が世界で一番めでたい日ですけど何か?

4月20日俺はクラスでいつもの二人にこの件があんな展開で終わったことを告げた。

「お前どんだけ、美桐ちゃんから嫌われてんだよ」

「いや、たまになら、一緒に登校していいって言ってくれたもん」

「たまにって、具体的にはどのくらいなの?」

「ん~、週2ぐらいかな?」

「お前それ、全然懲りてないじゃん」

「え~、だってみきりんと一緒にいないと寂しくて死んじゃうよ」

「ダメだ、やっぱこいつ病気だよ」

「だね~」

とのんきな会話をして放課後になった。


今日はみきりんに了承も得て、一緒に帰っていいことになった。すると、

「あの、お兄さん」

声の方を見ると凛ちゃんがいた

「あっ、凛ちゃんどうしたの?」

「あのー、24日って美桐の誕生日じゃないですか。お兄さんはもうプレゼント買いましたか?」

「いや~、それがさぁ、考えれば考えるほどわかんなくなって、普段から服とか買ってあげてるけど、誕生日に渡すとなるとどうしたもんかと思ってね」

「ならよかったら、明後日土曜日ですし、一緒にプレゼント選びに行きませんか?」


22日、俺と凛ちゃんは家から二駅離れた結構大きめのデパートみきりんのプレゼント選び来た。

「今日はありがとうね、俺一人じゃ今年もプレゼント用意するの誕生日当日にギリギリ決めるみたいなことになってただろうから」

「いえ、お誘いしたのはこっちなのですから、気にしないでください」

「それにしても、毎年思うけど、中学生の女の子は誕生日に何もらったら嬉しいの?」

「気持ちがこもっていれば、なんでも嬉しいですよ」

「ん~、そう言われるとますます困るなぁ、

みきりんのプレゼントってだけで、どれも愛情100%いれてるからなぁ」

「なら、私と美桐二人で、よく行くお店があるんですけど、そこに行きませんか?」

「あぁ、この間も二人で行ってた、あのかわいい動物のグッズがあるお店?」

「えっ?なんで知ってるんですか?」

ちょっと引き気味に言われてしまった。

「あっ!いやその、この間みきりんが話してくれたんだよ。あはは」

話からって誤魔化してみる。

「そうですか」

ふぅ、凛ちゃんと仲良くしておけば、学校での

みきりんの話も聞けるし、それに凛ちゃんから「お兄さんいい人だね」などとみきりんに言ってもらえれば俺の好感度も上がる。逆に、凛ちゃんから嫌われればみきりんからも嫌われることになる。


店に着くとたくさんの可愛い動物のグッズがあった、さっきはみきりんから聞いたって言ったけど、本当は、みきりん達をつけてただけなんだけど。というか休日であろうともみきりんについて俺が知らないことがあってはいけないのだ。

「これなんてどうです」

凛ちゃん勧めてきたのはピンク色のクマの絵が描いてある服だった。

「いいんじゃんそれ」

みきりんが着ているところを想像してしまった。可愛いすぎる。顔がにやけそうになった。

「あんたたち、二人で何してんの?」

振り向くとみきりんがいた。

「みきりんどうしてここに?今日は秋さんとスイーツ食べに行くって」

「お母さんに、急に仕事が入って、暇になったから買い物に来たの。ってかなんであんたたち二人でこんな場所に居るのかって聞いてんのよ」

「お兄さんとはさっき、そこでたまたま会って買い物に付き合ってもらってたの」

凛ちゃんナイスだ。俺は心の中で「いいね」をした。

「ふーん、じゃあそんな奴とより、私と見てまわろ」

申し訳なさそうに俺を見る凛ちゃん。

「わかった。じゃあ二人で見ておいでよ。俺はもう帰るから」

と言って俺は店から出て行った。


23日、みきりんの誕生日、

「クソォ、結局今年もまだ、プレゼント決めれてねぇ」

俺は昨日行ったデパートに行った。

そこで、俺はこれだと思うものを見つけた。

時間を見るともう18時だった。

「やば、誕生日会もう始まってる」

俺は全速力で家に帰る。みきりんの誕生日会に遅れるとか一生の不覚だ。家に着く頃にはもう19時前だった。誕生日会には凛ちゃんと透と迅と優が来てくれてた。

「はぁはぁ、ただいま」

「どうしたの?そんな汗だくで」

「ごめんみきりん、誕生日会遅れちゃって」

「いや、別にいいけど」

「珍しいな、お前が美桐ちゃんの誕生日会に遅れるなんて。初めてじゃないかこんなこと」

「みきりんのプレゼント決めてたら遅くなっちゃって。はいみきりん、これプレゼント」

そうして俺はみきりんにプレゼントを渡すことができた。

「あ、ありがと」

「開けてみて」

プレゼント用に包んでもらった箱を開けると

「これって?」

「うん、5年前初めてみきりんの誕生日会をした時、みきりんにネックレスを贈ったけど、小学生だったから全然お金無くて、安物しか買えなかったけど、今回は結構高いの奮発して買っちゃった」

するとみきりんは首にかけていたネックレスを見せる。それは、5年前俺が美桐に贈ったものだった。

「それって」

「さっきねぇ、この子に今まで貰った中で一番嬉しかったのは何?って聞いたら、それを持って来て。お兄ちゃんができて一番最初にお兄ちゃんから貰った物だからって話してたの」

「なんで言っちゃうのよ。こいつがいないから言ったのに」

「みきりん」

やばい、さっきまで誕生日会に遅れて、かなり罪悪感あったて泣きそうだったのに、今は嬉しすぎて泣きそうだ。

「えっ?なんで泣いてんの」

泣いちゃってたみたいだ

「ありがとう、大切にしててくれて

Happy Birthdayみきりん」

アクシデントはあったけど、美桐の誕生日会はこの後楽しく続けられた。

「ねぇ、ばか兄と凛は昨日たまたま会ったの?」

ギクッ

「それじゃあみきりんおやすみ」

「あっ、逃げた」

こうしてみきりんの誕生日会は幕を閉じた。

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