第2話妹は俺の恋人ですけど何か?
始業式の日から一週間が経ち、俺はいつもどうり妹の写真におはよーを言って、リビングへ向かった。するとリビングにすでに朝食を食べ終えたみきりんがいた。
「あれ?みきりん今日は早起きだね。どうしたの」
「別に、勝手に目が覚めただけ、ってかもう私行くから」
「えっ!?みきりんもう行くの?」
っと言っている間にもうみきりんは家を出ていた。
「ごめんね白君、あの子いつも白君に起こしてもらってるくせに、自分が早起きした時は白君のこと放って行くなんて、まったくあの子ったら」
この人が俺の父親の再婚相手でみきりんの実の母親/神城 秋【かみき あき】さん
「いえ、いいですよ」
でもみきりんと一緒に登校したかった俺は朝食も食べずに急いで家を出た。
10分ほど走ってやっとみきりんに追いついたと思ったら、みきりんが知らない男と歩いていた。
「俺のみきりんを、俺のみきりん・・・殺すかあの男」
本気で殺しに行こうかと思ったその時、前の二人は別れ道にさしかかり別れた。俺はみきりんを追いかけた。
「みきりーん、今の男だれ?」
「小学校が一緒だった一真 透【かずま とおる】君、ちなみに今は私の彼氏」
(T_T)「・・・やっぱり殺しておくべきだった」
「ちょっと、マジなトーンで言ってじゃないわよ。いい、透君になんかあったらもうあんたと
一生口きかないから」
ガァーンというリアクションをした俺をおいて、
みきりんは学校へと向かった。
俺はしばらくショックで動けなかった、なんとか学校に遅刻する前には登校することができた。
「どうしたの白君、朝からずっと元気ないね。
美桐ちゃんとなにかあった?」
と明日で世界が終わるみたいな顔をしていた俺に話しかけてくれたのは同じクラスの優だった。
「あぁ、優か、いや~なんかみきりんに彼氏ができたみたいで、俺明日からどうやって生きていけばいいんだろ?・・・俺みきりんエネルギー補給しないと死んじゃうのに」
「えっ!?そうなの、美桐ちゃんに彼氏できたの、まぁ、でもそうか、美桐ちゃんももう中学3年だしね。それに美桐ちゃん可愛いし」
「そうなんだよ、みきりん可愛いから今までずっと、みきりんに近づく害虫を駆除してきたのに」
「なんだ、それでお前今日遅刻しそうだったのか?」
と話に入ってきたのは親友の迅だった。
「いいじゃん、もう諦めろ。もうそろそろ妹離れしろってことだよ。それにお前イケメンで運動神経良くて成績もトップなんだから、お前にも彼女ぐらいすぐできるって」
そう、俺は運動はそこそこできて成績は高校に入学してからずっと1位をキープしている。
あと去年高1の時に告られた回数は30回ぐらいある、まぁ、眼中になかったから全員ふったけど。
「そうだね、白君なら、きっとすぐ素敵な娘と出会えるや、もしかしたら、もうすでに、出会ってて今も近くにいるかもね」
チラッと、優が俺を見てきた。
「だから、それがみきりんなんだよ」
「あはは、そうだね。はぁ」
とため息をつく優。そんな会話をして、放課後になって、速攻美桐の学校へ向かう。
するとみきりんの学校の門の前に今朝の男がいた。するとみきりんが学校から出て来て二人は一緒に帰り始めた。
あいつに何かしたらみきりんと一生口をきいてもらえない俺はこっそり二人をつける。クソォ、楽しそうに話やがって、二人の会話を超気にしながら、二人がいつ別れるのかと待っていると、俺たちの家についてしまった。そこでようやく二人は別れた。あの男が角を曲がって見えなくなった瞬間、俺は家に飛び込んだ。
するとリビングで
「ねぇ私彼氏できたから、明日うちに呼んで一緒に夕食食べていい?」
「あら、あんた彼氏できたの?」
「うん」
「そうか、美桐ちゃんにも彼氏ができた。よかったなぁ」っと帰宅した俺に気づきニヤニヤとあざ笑う俺の実の父親/神城 定壱【かみき じょういち】
「残念だったなぁ。白お前の恋は終わったなぁ。はっはっ」
それが好きな人に彼氏ができた息子へのセリフかよ。
「まぁ、透君と仲良くしてね。お兄ちゃん」
「クソォ、俺は絶対認めないぞぉ~」
今日は最悪の日だ。なぜなら今日妹が彼氏を連れてくる日だからだ。俺はみきりんと登校していると
「おはよー美桐さん、あれそっちの人お兄さん」
とうざったいほど清々しい声が聞こえた。
誰がお兄さんだ俺には妹がいればそれでいい、弟なんていらねんだよ。
「おはよー透君。うん、こいつ私の義理の兄なの」
「はじめましてお兄さん、僕一真 透と言います。えっとー、妹さんとはお付き合いさしてもらってます」
恥じらいながら言ってんじゃねぇよクソガキが。
棒読み「こちらこそはじめましてー」
「あと聞いてもないのに名乗らなくていいよ、覚える気ないから」
「あっ、すみません」
「ちょっと何よその言い方」
「いや、別になんでもないよ」
「透君、こんなやつほっといて、早く学校行こ」
オロオロとしながらパコリと頭を下げ
「では、お兄さん失礼します」
とみきりんを追いかけて、行ってしまった。
「チッ、何がお兄さんだ」
そのあと、俺は機嫌悪く登校した。
下駄箱を開けると手紙が入っていた。
内容はこうだ、お話があります。放課後4時半
学校の中庭のベンチで待っています。手紙には名前はなかった。
クラスに行き。優と迅に手紙のことと美桐が彼氏を家に連れてくることを話した。
「手紙に関してはどうするの?」
「どうせ白のことだふるに決まってんだろ」
「当然だ、みきりん以外と付き合うわけないだろ」
「そっかぁ、やっぱりふるんだ」
「それより、今はあの一真とかいう奴をどうやって、みきりんと別れさせるかが問題だ」
「昨日も言ったけど、いいかげん諦めろ」
「そうだよ、本当に美桐ちゃんのことを思うんだったら、兄としてみまもってあげなよ」
「お前らまでそんな事を言うのか」
「だって」
「ねぇ」
「もういいわかった。この件に関してお前らにはもう相談しない」
と頬膨らませてプンスカ起こる。
放課後になり、呼び出された場所へと向かう。
そこにはショートヘアーの女の子がいた。
見たことない子だし制服も新しい1年生か。
「あのー、手紙くれたの君?ごめんけど、話早くしてもらえる。俺今日早く帰らないといけないんだ」
「あっ、はい、神城先輩来てくれてありがとうございます。私実は」
「あぁ、告白とかなら俺好きな人いるんで付き合えないから」
「あぁいえ、そうではなく私春休みの時神城先輩に助けてもらって」
「えっ?」
うわぁー、なにこれすっごく恥ずかしい、
なにが。俺好きな人いるから付き合えないだよ。
「あのー?」
「あっ、ごめんごめん勝手に勘違いしちゃって。
それで、俺が助けた?君を」
「はい、財布をなくした私と一緒に財布探してもらいました」
あぁ~、なんかあったなそんなこと、みきりんに頼まれてコンビニにおつかい行った時だ。
「それで、何かお礼をしなきゃと思い」
「いやいや、いいってそんなの」
「いえ、何かお礼をさせてください。何かお願い事はありませんか?」
「って言われてもな~、まだ、名前も知らない女の子にお願いするのはなぁ~」
「あっ、申し遅れました。私黒原 戦【くろはら いくさ】と言います。戦とお呼びください。」
「そうだなぁ、急にお願い事って言われても」
「今すぐでなくてもいいのです。何かお願いが決まりましたら。いつでも言ってください。」
「わかった」
こうして俺たちはお互いに連絡先を交換した。
戦さんとは話してすっかり遅くなってしまった。猛スピードで家に直行した。玄関に知らない靴があった。チッ、もう来てんのかよ。
リビングから楽しそうな笑い声が聞こえてくる。
リビングに入ると、いつも俺が座っている席にあの男がいた。
「あっ、お兄さんおじゃましています」
「そこ俺の席なんだけど、どいてくんない?」
「白お客さんに向かって何言ってるんだ、お前は向こうのソファにでも座ってろ」
そして、また俺をよそに四人で楽しそうに話す。
30分ほど経ち。もう我慢の限界だ。
俺はソファから立ち上がり。
「おい、一真 透みきりんをかけて俺と勝負しろ」
「はぁ、あんた何言ってんの。私をかけるも何も私あんたのものじゃないし」
「いや、その男はみきりんに相応しくない」
「わかりました。勝負とは具体的に何をするんでしょう?」
「もちろん、みきりんに関してのお互いで出し合い、最初に3問答えられた方の勝ちだ」
「わかりました。受けて立ちます」
「では、俺から第1問みきりんの身体測定の結果は?」
「えっ!?そんなわかるわけないじゃないですか」
「フッ、残念だったな。
みきりんの身長は150センチ体重は39.9kgスリーサイズは上から七じゅぐはっ」
みきりんに殴られ最後まで言えなかった。
「なんで知ってんのよ!」
「では次は僕の番です。美桐さんの好きな食べ物は二つ答えてください」
「駅前のクレープ、近所のスーパーのプリン」
即答してやったぜ。
「では第2問、みきりんの宝物は?」
「わかりません」
「答えは3歳の時から大事にしてるクマのぬいぐるみだ」
「では、美桐さんが小学4年生の時の担任の名前は?」
「大橋 大地、こんな簡単な問題しか出せないなんてそれでみきりんの彼氏なのってんじゃねぇよ。じゃあ第3問みきりんとみきりんの友達の竹林 凛ちゃん、二人がお揃いでつけているストラップは?」
「えっとー、い、イルカ」
「うっ、せ、正解」
「や、やったー」
「どうせ、まぐれだろ。さぁ、早く次の問題ってか最後の問題出せよ」
「では、美桐さんの彼氏の名前は?」
「はぁ?何言ってんだ。一真 透お前だろ?」
「残念、僕は彼氏のふりをしていただけです」
「・・・・・」
時間が止まったかと思った。
「えっ?だって、えっ、嘘?」
「ちょっ、なんで言っちゃうのよ透君」
「だって、こんなに君のことを思ってくれる人にこんなことするなんて酷いよ」
「えっ、じゃあ本当に?」
「はい」
一真は罪悪感から解き放たれたように満面の笑みで答える。
「みきりんなんで、こんなことしたの?」
「だってあんた、登校の時いつも私について来て登校中に学校の友達と全然話せないからちょっと、離れたかったの」
ガァーン、本日2回目である。
「わかった、もう登校中はついていかないそれでいい?」
「うん」
そのあと、一真も一緒に夕食だべて8時ぐらいに一真は帰った。
「さっき、登校中ついて行かないって言ってたけど、たまにならいいよ」
「みきりーん?」
「たまにだからね」
「うん」
後日、改めて俺は一真 透と二人で会って話してみた。すると結構いい奴で、凄く仲良くなった。
小学校の時の美桐の話で盛り上がったりして。
こうして、透とも仲良くなり、今回の件は一件落着した。
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