第6話 活動します、初日

早速見回りということで駅前から始まることになった、今更だけどさ、学校に集まる必要なかったよね?

『祐介くん、ぼさっとしてないで早く来て』

『マヌケ面なのはいいですが、根元からマヌケになられると迷惑です』

はぁ〜、何故こんな目に会わなければならんのだ。俺がなにをした、神よ

『わかったからそんな急がないでくれ』

『せっかく久しぶりなのに』

ボソッと乙坂が何か言った気がする

『時間は無限じゃなく有限です』

だろうね!?そんのことわかってるよ、なんか妹が増えた気分だよ

『てかなんで駅前からなんだよ』

学校の周りじゃダメなの⤵︎

もうすでに始めてから10分たつぐらいだ

『私の管理区域が学校から駅にかけての半径3キロだから』

なんだよ管理区域って!お前はどっかの中ボスか!?

『説明足りてないんだけど』

あっ、という声を発して忘れてた〜というかぬるい返事が返ってくる。

『そうね、公園で少し休憩しよっ、そこで話す』

公園に入りベンチに座り休憩に入る

『えーっと、じゃあまずは管理区域から説明しようかな』

『わかりやすく頼む』

おそらくわからないだろうけど

『退治屋には団体があってね、団体ごとに区域が任されるんだけど、その団体中でもさらに区域を分けて任される、私たち榴木東高校のオカ研は高校から駅までの半径3キロを任されてる』

なんだ、意外とわかりやすいなって俺らみたいなのがたくさんいんのかよ!

『団体って俺ら合わせて何人ぐらいだ?』

『まだ祐介くんは登録すんでないから数えないとして私たちの団は36人かな』

以外といるなぁ〜、そのうち二人は乙坂と猫美ちゃんとして残り34人か、どんだけ取り締まってんだよ

『その中でも私たちみたいに固まって任される人たちがほぼ全員だからそうでもないよ』

そういうことか、納得だ

『でも私たち以外にも団体はあるから日本中は全部じゃないかな』

前言撤回、やりすぎだよ

『どこでいつどんな思念体が現れるかわかりません、一般人が襲われたらシャレになりませんからね』

猫美ちゃんが水道で手を洗いながらつぶやく。

人の想いは怖いってこういうことなのかな、なんかいろいろと違う気がする

『ということで、頑張らなくちゃいけないの』

乙坂が勢いよく立ち上がり、握りこぶしを作っている、やる気だけはあるんだな

『そうだな、力あるものが頑張らなっ』

ここで神のイタズラか、強い風が吹き乙坂のスカートがめくれ上がった

『…!!』

顔が真っ赤になりこちらを睨んでいる

『いや、今のは俺悪くないよ!?不可抗力だよ不可抗力‼︎』

その言葉は乙坂には届かず乙坂は赤くなったままプルプル震えている。あぁ、これは本格的にまずいかもしれない。俺は悪くない俺は悪くない俺は悪くない。

『この変態‼︎』

そう言って猫美ちゃんが使っていた水道の水を俺に威力ましましで放ってきた。

『ぐぉぼ‼︎』

ベンチから吹っ飛びフェンスに激突する。またこれがとてつもなく痛い

『死ね死ね死ねっ』

いやもう死にそうです

『先輩、最低ですね』

風に言え風に。

乙坂の機嫌を直すのは大変だった、とりあえず悪くもないのに謝りまくった。無視されまくったけど最後は仕方なくとなんか奢りでカタがついた

『もう服がビチョビチョだよ』

そう言って俺は上着を脱ぎ絞った後パタパタとしてベンチにかけた

『ごめん猫美ちゃん、お金出すから3人分のジュース買ってきてくれないかな』

この格好で買い物はまずいので猫美ちゃんに頼む、乙坂に頼んだらまた怒られそうだから猫美ちゃんに頼むほかない

『仕方ないですね、行ってきます』

いってらっしゃいと声をかけ俺はベンチに座った

『祐介くん』

『なんだよ』

いきなり態度変わって話しかけられる。切り替えはえーな

『子供の頃になにしておそんだとか誰と遊んだとか覚えてる?』

どうしたいきなり

『覚えてることもあるし覚えてないこともあるよ』

まぁとうぜんのこたえだよな、そういって頭をかく、その手につられたのか乙坂も頭を見る、いや、頚椎から背中にかけての傷に気が着いたのだろう。

『別に答えなくてもいいんだけどその傷、どうしたの』

別にいいたくないとかそういうのではないですらっと話す

『小4のとき、俺はトラックにひかれたんだ。友達がイライラしてて道を歩いてた子ネコを蹴飛ばしたんだ、その蹴飛ばされた先にトラックが来て俺はとっさに飛び込んじまったっていうこと。子猫は無事で親ネコのとこに帰って俺は身動き取れなくてそのまま意識を失ったらしい』

『それって』

乙坂は少し考えた表情を浮かべる

『いや、なんでもないの、でもらしいって』

『俺はその時の記憶がないんだよ』

『えっ?』

おれはこの事故で脳にダメージを負ってしまい記憶が飛んでしまったのだ

『小2から小4のこの時期にかけておれは記憶が飛んじまってる』

こん時はいろいろ大変だったな、お母さんに全部説明してもらって、でも足りないこともあって散々だったな

『そんな、そしたら、だって』

なんか乙坂の独り言が増えていく

『おいどうしたんだよ』

その後、悲しい表情になり

『なんでもない』

そう言った。

『ただいま帰りました』

このタイミングで猫美ちゃんが帰ってくる

『おっありがとう』

『別に祐介先輩のためではないですよ』

相変わらずだなぁと言いたいが心の中だけにしといた

『?、どうしたんですか明音先輩』

その言葉に乙坂はビクッとなり顔を上げる

『う、ううん、なんでもないよ』

笑顔になってそういうが作り笑いだとわかってしまう、アレ、なんで俺はこいつの笑顔が作り笑いだとか作り笑いじゃないだとかがわかるんだ?いや、見てれば案外わかるのかもしれない

『今日はここまでにしよ、お疲れ様』

まだ全然終わってないのだがどうしたのだろうか、まぁ明日も休みで見回りだろうけど

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どうも、退治屋オカルト研究部です @56563

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