第5話 入部します、オカルト研究部

オカルト研究部に入って1日、土曜日、今まで帰宅部だったので休みの日に登校するのに少し緊張していた。

『てかオカルト研究部って何する部活なんだろ?』

オカルト研究部と言ったらやはり心霊写真を見て本物とか偽物とかだと討議したりポルターガイスト現象を徹底的に調べたりとそんなイメージついてるけど実際どんなことしているのか俺にはよくわからない

ヴゥーヴゥー

マナーモードにした携帯がポケットで震えている。画面を見るとあのバカ二人組の一人からだった。

『現在この電話は電源が切られているか電波の届かない場所にあります』

そう言って切るボタンを押そうとする

『おい、バリバリ届いてんじゃねぇーか‼︎お前今どこにいんだよ』

うるせぇ、声デケェ、やかましい

『学校の校門前ですが何か?』

『嘘ついてんじゃねぇ、お前みたいなやつが休みの日に学校なんて行くかよ』

俺も自分でそう思ったよ

『俺部活入ったから』

『な、なんだってぇ』

『と言うことでじゃあな』

ポチッというと同時に電話が切れる。さぁオカルト研究部を始めますか。


オカルト研究部の部室は二階の一番奥の部屋だ。というか俺はオカルト研究部の部室と言われなかったらその部屋の存在にも気付けなかったと思う。あー、こんなところにこんな部屋があるなんて。

ガラッ

勢いよくドアを開けると堂々と乙坂が座っていた。

『遅かったわね、祐介くん』

『ちゃんと言われた時間に来たと思うんですが』

とココで一つ気になることがある、端っこの方にちょこんと座っている白黒の猫耳フードをかぶり髪も白黒の白黒な女の子がいる、おそらくオカルト研究部員なのだろうけど部員いたんだ

『あの〜この子は?』

かしこまるように聞いてみる

『あ、あ〜この子?この子は中等部三年生のかんなぎ 猫美ねこみちゃん』

そういやこの学校中高一貫だったな、まぁ俺は受験して入ったけど

『よ、よろしく、猫美ちゃん』

笑顔であいさつする、でも猫美ちゃんはプイッとそっぽを向いてしまった

『私は人間が嫌いです、話しかけないでください』

は、はぁ?

『猫美ちゃん、こいつマヌケ面だけど中身はいいやつだから仲良くしてやって、私からもお願い』

また、マヌケ面って言われた、なんか傷付くなぁ。てか人間が嫌いって、あんたも人間だろぉが。

『明音先輩がそういうなら、…何先輩でしたっけ?』

おい、そこからか

『俺は祐介、神崎 祐介だ、改めてよろしく』

『仕方なくですがよろしくです、祐介先輩』

あー、なんでオカ研の人はほぼ初対面の人のことを下の名前で呼べるんだろ、不思議だなぁ〜

『それじゃ新入部員も来たことだし、今日の活動を始めよっか』

何すんだろ、まんまオカルト研究部やるってわけじゃないだろう

『どうやったら部員が増えるか考えよう』

まんまオカルト関係ないの来ちゃったよ

『お前毎回そんな活動してんのか!』

『冗談、まぁ部員も増えればいいってモンじゃないし、ちゃんと選ばなきゃ』

確かに選ばなきゃいけない、実際に俺が入部したのも思念化できるっていうのが理由だし、ということは猫美ちゃんもそうゆうことなんだろうか。

ジー

『なんですか』

どう見ても普通の女の子だよな

『猫美ちゃんはちょっと特別なの、だから大丈夫』

ナイショの話ということか

『いつかは話してあげるかもしれません、小さな期待を持ってください』

猫美ちゃんも乗ってくる。

『本題に入るね、祐介くんこないだの戦いで自立した思念体を見たでしょ』

『あぁ、あの人間もどきのことだろ』

気持ち悪かったなぁあれ、自分でもよく倒せたと思うよ

『最近は自立した思念体が増えてきてる、ということで悪さをする前に消しに行きます。というか探します』

『毎日これからずっとこれやんのかよ!?』

『ずっとってわけじゃないけど力あるものが力を使わないとね』

ニコニコしてやがる、満面の笑みで‼︎

くそッ可愛いから憎めねぇ


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