『ズーロレット』あざといパンダはお好き?
あざとい
最近では可愛さを強調すると、こう呼ばれるようですね。
試しに画像検索してみると、可愛らしいそぶりをした黄色い女の子がたくさん出てきます。
では今回は色々な意味で「あざとい」非電源ゲームを紹介してみたいと思います。
その名は『ズーロレット』
結構大きめの緑色の箱を手に取れば、そのパッケージイラストは前面全てを使ったパンダの顔のアップです。
おまけに、このパンダしっかと笹を握りしめつつも、ちゃんと目線はカメラです。
このそぶりはあざとい、あざとすぎる。
ジャケ買いしてしまうレコードやヒロイン買いしてしまうラノベと同様、ゲームのパッケージは重要です。
このパンダとタイトルで『ズーロレット』は動物園をテーマとした、みんなで遊べるファミリーゲームだね、と見当がつきます。
まあ『こねこミキサー』の様な例外もあるんですが。
*『こねこミキサー』
子猫たちが台所で遊んでいるうちにミキサーに入りこんだり、そのミキサーの電源が入ってしまったりすると言う、あざとい(悪辣な)カードゲーム。
おまけに子猫のカードが一枚ずつ違っていてあざとい(可愛い)
ミキサーの話は忘れましょう。
『ズーロレット』の箱を開けると、プレイヤー毎に1つづつ(そう言えば最大プレイ人数は5人ですよ)の動物園ボードと動物運搬トレーラーが入っています。
後はお待ちかね、動物たちのコマがいっぱい。
パンダ、シマウマ、フラミンゴ、ゾウ、チンパンジーその他もろもろ。
一枚の動物園ボードには3つの「展示スペース」と「雑居檻」があります。
各「展示スペース」には、一種類の動物しか入れられません。
ここに先ほどの動物たちを好きに並べて、自分の理想の動物園を作りましょう。
ただゲームに勝つためには、3つの「展示スペース」をフルに活用した上でドリンクショップやら、お土産センターやらを充実させる必要がありますが。
プレイの流れは単純明快。
テーブル中央に先ほどの動物トレーラーを置いて、裏向きにしてある動物コマを引いてから表にして好きなトレーラーに載せて行きます。
次のプレイヤーは同様に動物を載せて行くか、トレーラーを引き取るか選びます。
ここで重要なのは下の3つ。
①手番にできる事は、動物コマを引く事とトレーラーを引き取る事のどちらか。
②各トレーラーには動物が3頭まで載せられる。
③トレーラーを引き取ると、他の全てのトレーラーが引き取られるまで、自分の手番が飛ばされる。
実際の3人プレイで見てみましょう。
一番手のプレイヤーが動物コマを引きます。パンダ!適当なトレーラーに載せます。
二番手のプレイヤーもパンダ1頭だけのトレーラーは要らないので引きます。パンダ!
今引いたパンダですが、既にパンダが載っているトレーラーに載せる訳にはいきません。
それでは三番手のプレイヤーに良いトレーラーをプレゼントするのと同じです。
また違うトレーラーに載せます。哀れ生き別れのパンダ兄弟。
三番手のプレイヤーもパンダ1頭は要らないのでコマを引きます。ラクダ!
どうしましょうか、空いているトレーラーに載せるべきか、パンダ/ラクダのトレーラーを作るべきか……
この様に3種類以外の動物は要らない、それどころか「雑居檻」の動物は維持費だけが掛かって減点の対象となると言うルールになっています。
ですが、自分でコマを引いてきて「良い」トレーラーを作ってしまえば他のプレイヤーが持って行ってしまう。
逆に3種バラバラの様な「悪い」トレーラーを作れば、みんなが降りて結局自分が引き取る事になる……といったジレンマを持った展開となります。
おまけに動物園の3つの「展示スペース」は収容できる動物の数が異なっています。
一回入れた動物は原則として移動できない為、引き取った動物を何処に収容するのかも難題となってきます。
また動物コマの中には変わり種も含まれています。
単体で勝利点となり、「展示スペース」の動物不足もフォローしてくれる強力な「ショップ」
後述する特殊なアクションを助けてくれる「コイン」
そして「オス/メス」マークのついた「カップル動物」です。
この「カップル動物」はオス/メスを揃えて「展示スペース」に入れると、二世誕生と言う動物園マニア垂涎の一品。
この生まれてくる子供たちは専用の丸いコマの可愛いデザインとなっています。
ゲーム的には動物が一頭増えるという効果以上でも以下でもないのですが、子パンダや子ゾウの限定コマが貰えるのは、しばしプレイヤーの判断を狂わせます。あざとい。
先ほど言いました「コイン」で取れる行動は……
・「展示スペース」を拡張して4つにする。
・動物やショップを入れ替える。
・他のプレイヤーの不要動物を買い取る
・不要動物を何処かに連れていく(あはははは)
どれもかなり重要ですが、コインの補充方法はトレーラーに載ってくるか、「展示スペース」を定員まで埋めてボーナスで貰うかのどちらかだけ。
「理想だけでは動物園なんか経営できないんだよ」
「ショップ」と「コイン」を奪い合い、不要な動物を載せたトレーラーを押し付け合いながらプレイヤーたちは、あざとく笑う筈です。
そうこうしている内に動物コマが減ってきて、ゲーム終了の時間です。
「展示スペース」の動物の収容状況と「ショップ」の売り上げを足して、「雑居檻」の動物をペナルティとします。
誰が勝者となったでしょうか、えっ?ラクダとカンガルーとインパラで勝った?
そうです、全ての動物は等価値なんです。
最大4種類しか動物がいない動物園ってどうなの?
などと愚痴を言いたくなるのは、私が「雑居檻」を満員にして負けるタイプのプレイヤーだからです。
動物園と言うより、ワシントン条約違反の密輸業者の倉庫みたいですね。反省っ。
この『ズーロレット』の中で特徴的な動物トレーラーの引き取り部分。
ここだけを抜き取ったカードゲームも『コロレット』として発売されています。
ルールの無駄のなさは『コロレット』の方が上ですので、興味を引かれた方はこちらもプレイしてみて下さい。
でも自分だけの動物園を作れると言うテーマは魅力的です。
後は決まったスペースにきっちり物を収めていく行為に喜びを感じる整頓魔の人なんかにも『ズーロレット』はお勧めでしょうか。
最後になりますが『ズーロレット』も人気ゲームの例にもれず、様々な拡張セットも出ていますよ。
そのパッケージの方もご想像通りに、子ゾウが可愛い親子ゾウ、またはコアラと非常に「あざとい」デザインになっております。
つい箱を揃えたくなる……可愛い好きを見越したあざとい商法ですね。
いえ、ゲーム大賞も取っている名作です。
ぜひプレイを!
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