第8話 エピローグ

 仕事が終わって、テレビでニュースを見ていたヒロミは、驚きで動けなくなっていた。


 レイカの遺体が海からあがった。自首してきた犯人は、レイカの猛烈なファンであるヤクザの組員だということだった。


 ヒロミには、セイタの差しがねであることがわかった。


***


「なんだか、大変なことになってしまったわね」

 お葬式でノリコは眼鏡のふちをあげて、動揺していた。


「ファン心理って怖いわ」

 ミソノは震えていた。


ソウタは、姿を見せなかった。


ヒロミは高く空を見上げ、ミキに語りかけた。

「こんな真相、あなたは受け入れられますか?でもこれが真実でした」


曇り空だったのに、曇の隙間から太陽が出てきて、キラッと瞬いた。


「大丈夫よ。ありがとう」

 ミキがそう言ってくれているような気がして、ヒロミはやっと心が落ち着いた。



                           (終)

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再会の果てに ほしさきことね @hoshisakikotone

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