胸に迫った思いがした。栄枯盛衰、盛者必衰という言葉があるけれどこの作品はそうして枯れ衰えた者の末路をまざまざと見せつけてくれる。それと同時に人の悪性もまた、隠さずに。伯爵だった父を亡くし、妹と二人だけになったらソーニャ達に、かつて仕えていた使用人達は掌を返しように辛く当たる。帝政ロシア末期はまさに激動の時代だったが故、彼らの背景を考えれば綺麗事を貫けば死が待ち受けているという状況でもあったの可能性もある。とはいえ、ソーニャの心中を察すれば、私はたちまち言葉を発せなくなった。
とても綺麗な文章で、ポリシーのようなものも感じました。アイディアも好きでした。自分の作品にもミハイル(ミーチャ)が出てくるので、奇遇です。様々なジャンルを書かれていて、これからも美しい作品を期待しています。
ロシアの没落貴族を取り巻く状況が、よく描かれていたと思います!父親が娘に遺したもの……その真実は物悲しくもありますが、寄る辺のない姉妹が生きていくためには必要なものなのかもしれません。台詞で雰囲気が十分出ていると思いますので、その分描写を省いた方が読みやすくなると思います!(特に老婆の台詞回しは見事でした!)