第40話 裏切りと交渉
時間は少し遡る。
ティルの目を盗み、隠れ家を抜け出した兵士たちは、森の中で身を潜めていた。皆一様に息をひそめ、動きすらも止めて、完全に木々の一部になりきっている。何も知らなければ、目の前に居ても気づかないに違いない。それほど見事な隠れ身だった。ただ唯一にして、彼ら全員に言えるのは、植物に似つかわしくない目のぎらつき方だ。
「斥候の報告だと、もうそろそろこの付近に現れるはずだが」
兵士たちをまとめる隊長が呟く。先ほどの作戦会議で、ティルに噛みついた一人だ。
彼にとってティルの考えは、本人にも言った通り弱腰としか思えなかった。もちろん、ティルの言いたいこともわかる。グレンデルという巨大な鎧の兵器。守護龍すら殺したその力は圧倒的で、我が身にあの力が降りかかると考えただけでも身の毛がよだつ。
しかし、自分たちはあのグレンデルを調べた。一度動かした後は、念入りに修理し、調整する必要があるというこ弱点があることが分かった。絶対無敵の存在など、やはりあるわけがなかったのだ。弱点さえつければ勝てる。不意を突ければ自分たちでも、ロネスネスの連中と互角以上に渡り合えるはずだ。
確信を得たのは、囚われていた者たちの解放に成功した時だ。奴らは自分たちの襲撃に右往左往するばかりで、何一つ対策を立てることが出来なかった。
これで結論が出た。グレンデルさえどうにかしてしまえば、奴らは弱い。それが、兵士たちの共通認識となった。グレンデル頼みの戦法しか奴らにはなく、それがなければただ人員が多いだけの弱兵集団に成り下がる。復讐に燃える我らに負ける要素は無い。全員が一丸となって当たれば、恐るるに足らず。
だから彼らは、何一つ恐れることなく、なかば勝利を確信しながら、その時を待っていた。間抜けにも自分たちの間を、何も知らないロネスネス兵たちが通るのを。そいつらの心臓に怒りの刃を突き立てるのを。
だから彼らは気づかない。いや、気付いていたとしても意識してその情報を無視する。
ティルが言っていたように、グレンデルのことを最も知っているのはロネスネスだということ。彼らが、自分たちが気づいたグレンデルの弱点に気付かないはずがないということ。何より、彼らは幾多の戦場を駆け抜けてきた戦士たちであり、戦いの経験では自分たちより上だということ。
その点をすでに無視しているから、後に続く彼らの脳裏によぎった以降の考えも、ありえないこと、に分類される。
一つ目は罠の可能性。自分たちの隠れ家が見つからないからこそ、奴らは、囚われた仲間たちを奪還することに成功し、勢いに乗っている自分たちをおびき出そうとした可能性。
二つ。裏切りの可能性。あまりにも簡単に囚われていた者たちを解放できたことについて、誰一人疑問に思わないこと。また、追っ手を出すならそのすぐ後のはずで、日が暮れてから追跡なんて非効率だ。視界も悪く、時間の経過により通った形跡がなくなっていく。
それでも彼らはこの時間に偵察を開始した。偵察は、相手に見つからないようにするのが普通で、斥候に簡単に見つかる様な大人数では行わない。まるで自分たちの姿を見せつけるかのような行軍。
この、おかしなところの多いロネスネスの動きを、彼らは疑問に感じない。なぜなら一度成功して、ロネスネスに一矢報いることが出来ているからだ。次も成功すると無根拠に思い込むには充分だった。
一度の成功こそ、自分の首を絞める毒薬。避けようのないそれを飲み込み、克服するか、破滅するかは本人たち次第。
「おかしい。距離と移動速度からして、もう付近まで来ていてもいいはずだ」
隊長の呟きは、辺りで待機している部下たちが全員思っていた。情報が誤っていたのか、こちらの待ち伏せに気付いたのか、彼らに焦りが生まれ、雪だるま式に膨れ上がっていく。ここでようやく、肝と共に頭が冷えてくる。自分たちは、
「少し先まで、もう一度偵察に行くべきではないか」
一人が、おっかなびっくりそう提案した。焦っている時の提案は、瞬く間に彼らの中に浸透し、さも最善の策、全員一致の見解のように思えてくる。
すぐさま編成し、偵察に向かわせる。だが・・・・
「戻って、来ない」
しばらくたっても、誰一人として帰っては来なかった。
これが、悲鳴の一つでも、剣戟の音一つでもあれば方策は絞れる。逃げるか、助けに行くかだ。だが、何もないのが一番厄介だ。まだ偵察途中かもしれない、戻っている途中かもしれない、敵に捕らわれたのかもしれない、様々な憶測が彼らの脳内を駆け巡る。どれが正解かわからないから、行動に移すことが出来ず、その場から動けない。動けないから不安になり、焦りが募る。焦りが頭の回転を鈍くし、不安が体を縛る。
無為に過ごす時間こそが、彼らの命を削っていくというのに。
それは、空気を押しのける際に発生する、花火の打ち上げに似た独特の風切り音を伴って飛んできた。
ただし、炸裂したのは地表だった。どぉん、と腹を押し上げるかのようなそれが接地した場所から、火花が飛び散るかのように土と石、触れた木々の木っ端がばら撒かれる。
隕石落下の如く地面を抉り、まるで図ったかのように、シルド兵たちの前で止まった。
大きさは約七メートル。鋼鉄の板を何枚も合わせた鎧を纏う人型の何か。タケルやミハルが見れば大興奮間違いなしの、その威容。
「ぐ、グレンデル」
見上げながら、兵士の一人が呟いた。
『見ィつけた』
意外と若い声がグレンデルから聞こえた。
『穴倉からようやく出てきやがったか。一度味を占めたネズミは、簡単に餌に飛びつく』
そう言って、腕を振り上げた。ギミックでも仕込んであるのか、腕の甲から両刃の剣が突き出る。それを横薙ぎに払った。そこかしこに生えた木々もろとも、数人のシルド兵の首が胴体から分かたれた。不気味なオブジェから真っ赤な噴水が吹きあがる。
「ひいい!」
一人が叫びながら、少しでもグレンデルから距離を取ろうと背を向けて逃げ出した。一人が逃げれば二人、三人と逃げ出すものは続出し、先ほどまでロネスネス兵を返り討ちにすると息巻いていたシルド兵たちは、たった一度の交戦で瓦解した。
無理もなかった。目の前で、さっきまで一緒に話をしていた仲間たちが、一瞬で物言わぬ骸になったのだ。これが、通常の戦い、というのもおかしな話だが、競り合った上での死であるなら、彼らは仲間の仇を取るべく、それこそ死ぬまで徹底抗戦しただろう。だが、あまりに圧倒的な力の差を前にして戦う意志は簡単に奪われた。
彼らは走って走って、いつの間にか森を抜けて平原に出てしまった。隠れ家とは反対側だ。
そしてそこには、三体ものグレンデルが大勢のロネスネス兵を従えて待ち構えていた。グレンデルたちの足元は真っ赤に染まり、その中には偵察に出たはずの兵士の手足が散らばっていた。どんな殺され方をすればそうなるのかわからないくらいバラバラだった。シルド兵たちの目には、それが自分の未来のように見えた。
『来たか。待ちくたびれたぞ』
真ん中のグレンデルが言った。
『愚か者どもが。欲をかくからこういう目に遭う。分相応に、あのまま逃げてしまえばこのようなことにはならなかったものを』
多分に嘲りを含ませて吐き捨てる。すると、右隣にいたグレンデルが彼らを庇うように言う。
『はは、フロルフ、そう言ってやるなよ。彼らの頭じゃ分からないのも無理はない。奴隷を解放させてやったあの時から、全て俺たちの計算通りだなんて』
「け、計算?」
『ほら、やっぱり気づいてない』
右のグレンデルが、人間がするように器用に肩を竦めて見せた。
『君たちの行動はね、全て俺たちの計算通りなんだよ。いや、俺たちが君たちの行動を操作していたというべきか』
ずん、ずん、と背後から先ほど彼らの前に飛んできたグレンデルが現れる。完全に包囲された。
『その立役者ともいうべき人を、まずはご紹介しようか。出て来いよ。ホンド』
シルド兵たちは驚いた。先ほどのグレンデルが現れた時以上の驚きだった。ゆっくりと、全員がある一点を見つめる。シルド兵の中でただ一人驚くことなく、泰然としているホンドがそこにいた。
「ホンド、様・・・?」
兵の一人が手を伸ばす、その手をするりと躱して、ホンドはグレンデルの前に出た。
『やあ、助かったよ。なにぶん、この辺りの土地は我らより君たちの方がよく知ってる。逃げられたら探すのは面倒だからね』
「お褒め頂き、恐悦至極に存じます」
ホンドが膝をつき、恭順の意を示した。
「ホンド様、嘘だろう? 何でそいつらと」
問いかけるシルド兵に、先ほどまで彼らと肩を並べ、気炎を上げていたはずのホンドは語る。恐ろしく冷淡な目で見下しながら。
「シルドが滅びるのは、もはや逃れられぬ運命だった」
すっと立ち上がり、彼らの前に立つ。
「人が増え、国が増えれば、次に起こるのは国家間での領土の奪い合いだ。より多く、豊かな土地を手にした国が生き残り、負けた国は吞み込まれるか、滅ぼされる。今まさに、時代が変わりつつあるのだ。この度の戦争で思い知った。我らは完全に時代に取り残されていた。我らが森の中で細々と暮らしていた頃、ロネスネスは領土を拡大し、国力をつけていた。多くの国を併呑し、人を増やし、備蓄を増やし、金を増やしていた。戦う前から、すでに圧倒的な差があったのだ。勝てるわけがない。そのことに気付いていたのは、残念ながらお前らが弱腰と呼んだ先王ラークと今のティルだけだがな。
武器一つとってもそうだ。我らの装備と彼らの装備を見比べろ。彼らの装備からすれば、我らの装備など襤褸そのものではないか。本気でグレンデルだけが我らと彼らの力の差だと思っていたのか?」
「で、でも、それでも、解放作戦は上手く行ったじゃないか。たとえ装備で劣っていようが、作戦次第で」
「それが間違いだと言っているのだ。この馬鹿どもが。本当に愚鈍で、どうしようもなく間抜けな連中だ」
だからこそ、私は見限ったのだが、とホンドは鼻から大きく空気を出した。
「先ほどこちらに居られるアシュレ殿が仰っていただろう。全てはこの状況を創り出すためだ。いい気になったお前らを誘導するのは簡単だった。策略とも知らず、のんきに喜ぶお前らは、傍から見ていて滑稽だったよ。憐れみすら覚えるほどにな」
もう、誰も口をきけなかった。嘘だなどと言えなかった。
「ほら、さっきまで語っていた夢を、彼らに語って差し上げろ。ロネスネス軍を返り討ちにし、一気に王都を落とす、だったか? シルドを再興させるんだろう? この状況を見て、もう一度言ってみるがいい!」
一人が膝を折った。一人が目から涙を流した。一人が握っていた武器を取り落した。動作は違えど、全員に共通しているのは、心が折れたということ。
『その辺にしてあげなよ。皆泣いちゃったじゃないか』
笑いながら、アシュレと呼ばれたグレンデルが笑う。申し訳ありません、とホンドが再び向き直り、片膝をついた。
「ですが、これで御しやすくなったかと。彼らも二度とロネスネスに逆らうという気は起こしますまい」
『ご苦労だったな。フレゼル陛下も貴様の働きをさぞ喜ばれることだろう』
「ありがたき幸せにございます。では、約定通り」
『うむ、陛下と交わした約定通り、貴様をロネスネスの士官として迎え入れよう。王は自ら傘下に加わった者には寛大な御方だ』
「ありがとうございます。・・・それで、もう一つの約定はいかがでしょうか?」
『もう一つ・・・ああ。ここにいる者たちを自分の部下としたい、ということだったな?』
「はい。先ほども申し上げましたように、この者たちに逆らう気はありません。このまま殺し、皆さまの手を煩わせるほどの価値すらありません。私が責任を持ってロネスネスに忠誠を尽くすように教育いたしますので、預けてはいただけませんか?」
ホンドの申し出に、グレンデルたちは顔を突き合わせる。何かを相談しているようだが、ホンドには聞こえない。やがて相談は終わり、真ん中の、アシュレからフロルフと呼ばれたグレンデルが言う。
『許可しよう』
「ありがとうございます。では」
『ただし』
言葉が続くとは思ってなかったホンドは、ぴたりと動きを止めた。
『ただし、許可できるのは五人までだ。それ以上は許さん』
「と、言いますと?」
初めてホンドの顔に焦燥が浮かぶ。
『そのままの意味だ。貴様の部下は五人。それ以外は許可できない。いつ裏切るともしれん連中を大量に抱えるわけにはいかないからな』
グレンデルや、周りのロネスネス兵から笑いが起こる。
「・・・では、奴隷として連れて行く、ということでしょうか?」
『それもない。男の奴隷はあまり価値がないのだ。貴様らシルドは愚かだが、女は美しいものが多かった。それだけが評価できる唯一の物だ。あ奴らは価値がある』
「では、どうなさるおつもりで?」
『殺し合え』
あまりに淡々と言われたので、ホンドはその意味をくみ取れず、固まってしまった。
『殺し合え、と言ったのだ。確かに貴様の言うとおり、殺す価値のない連中のために、陛下から下賜された貴重なグレンデルを汚すのは忍びない。血を洗い落とすのも大変なのだ。だから、貴様らで勝手に数を減らせ。生き残った五名が、晴れて貴様の部下だ。貴様も、まだ使える者の方が良いだろう?』
「それは、そうですが」
『何だ? 情がわいたのか? シルドにはほとほと愛想が尽きた、と言っていたのは幻聴か? いまさら止める、ということは、ないよな?』
「・・・まさか」
『まさか、何だ? まさかそんなことはない、だよな?』
それ以外の返答を、ホンドは持たない。ぐっと、強く目を瞑り、今だ成り行きが良くわかっていないシルド兵の方を向く。再び見開かれた目には、何の感情も浮かばない。
「全員、武器を構えろ」
「え・・・・」
「武器を構えろと言った。そして、互いに向かい合え。まずは隣の者とだ。生き残ったら、他の生き残っている者と戦え」
「ほ、ホンド様。本気で言っているのですか? 本気で」
「やれ。でなければ、全員死ね。シルドとして死ぬか、ロネスネスとなって生き残るか、今選べ。お前たちは、今覚悟を問われている。本当にロネスネスの一員となるのかどうかの覚悟だ。仲間だった者を殺すことで、それが得られる」
シルド兵たちは互いの顔を見合わせる。殺せるのか、今まで共に切磋琢磨してきた仲間を。
出来るわけがない、と顔を背けた先は、敵の槍衾があった。剣を構えたグレンデルがいた。
敵陣に突っ込み玉砕する覚悟など、最初のグレンデル襲撃時に消え失せた。逃げ道もない。彼等の上官であるホンドは、すでに敵として目の前に立っている。生き残るには、自分たちも敵に、ロネスネスの一員になる以外方法は無い。しかしそれには、仲間を殺さなければならない。
のろのろと、彼らは武器を取る。目の前の相手の顔を見た。今にも泣きだしそうな顔で、相手の顔を見ている。
「さあ、始めろ。生き残るために」
悲鳴とも雄叫びともつかない声を上げながら、殺し合うために激突した。
ティルが追いついたのは、シルド兵の三分の一が息絶えた頃だ。
「止めろ!」
グレンデル、ロネスネス兵、ホンド、死闘を繰り広げていたシルド兵たちすらも手を止めて、声のした方を振り返る。息を切らし、肩を上下させたティルがいた。
「一体何をしている。すぐに武器を捨てろ」
『ホンド、どういうことだ? ティル・ベオグラース・シルドはまだ隠れ家にいるのではなかったのか?』
「そのはずですが。おそらく私たちが抜け出したことに気付き、追ってきたのだろうと思われます」
『まあいい。どちらにせよ、ここで捕らえてしまえば同じことだ』
フロルフの無機質な目がティルを捉えた。
「貴様がこの部隊の指揮官か?」
しかしティルは怯むことなく、その目を睨み返した。
『そうだ』
「即刻彼らを解放せよ。もう勝負はついているはずだ」
『その要求に応えることはできないな。勝負がついたからこそ、彼ら敗者の扱いは、勝者たる我らのさじ加減一つだ』
バタバタと足音を立てて、ティルの周りをロネスネス兵が取り囲む。
『そして、今や貴様も、囚われの王だ。守るべき国を失った、亡国の王。何も持たない貴様は、我らを力づくで従わせることもできず、交渉材料も持たない。よって、我らに対して何一つ要求する権利を持たないのだ』
「本当にそう思うのか?」
囲まれながらも、ティルは不敵に笑って見せる。
「欲しくはないのか? 守護龍の子を」
『ほう?』
フロルフが手を上げ、兵たちの動きを止める。
『確かに空を飛ぶのには手を焼いたが、グレンデルのほうが強さは上だ。倒したことが何よりの証明。絶対に必要な物ではない。交渉の材料にはならないな』
「お前らが倒した守護龍は、出産したばかりの、もっとも弱っていた状態だ。全力の時の十分の一の力すら出せてはいなかった。今はまだ生まれたてだが、数年もすればグレンデルに匹敵するほどの強さを誇ろう」
『しかし、グレンデルとは違い、守護龍には意志があるだろう? 素直に協力するかな? 母親を殺した我らに』
「それはこれからの調教、つまり共に過ごす私次第になってくる。まだ生まれたばかりの赤ん坊は、育て方一つで如何様にも変わる。貴様らだって、生まれてすぐに精鋭だったわけではあるまい? もし守護龍が欲しいなら、私の機嫌を取っておくのも、一つの手ではないか?」
そこから会話は途絶え、にらみ合いがしばし続いた。
『良いだろう。そこまで言うなら連れて来い』
「そこにいる者たちの解放が先だ」
『貴様、立場が分かっているのか? 先ほども言ったが、守護龍は絶対のカードではない。履き違えるな』
「そちらこそ履き違えるなよ。交渉に関しての最終決定権はフレゼル王だ。全て現場の判断で決めて良いとお達しはあったか?」
『貴様』
「お前が出来るのは、この申し出と私を王城まで連れて行くことくらいだ。守護龍の価値は王が決める。そうだろう? そして、この場で守護龍の居場所を知っているのは私だけ、ということになる」
「あ、そう言う事にしたかったの?」
突然、フロルフでも、ティルでもない、第三者の声が割り込んだ。
「悪いね。そうと知っていれば、僕らは隠れてたんだけどね」
わざとらしい位の棒読みからは、まったく反省の色が見られない。
『何だ、貴様らは』
月明かりに照らされて三つの影が浮かぶ。彼らの姿を認めた瞬間、ティルは自分の思惑が脆くも崩れ去った理解し、無念そうに天を仰いだ。
そんなことは気にも留めず、須佐野尊は戦場を、そこに並ぶ四つの巨体を眺めた。まるで、おもちゃを前にした子どもの様に目を輝かせて。
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