お兄ちゃん

母の子宮に半年いた後

母に殺された私のお兄ちゃん


幼い頃母からそのことを聞いた

それから私はずっと彼を想う


私が彼を愛すことは

必然のように思われた



お兄ちゃん お兄ちゃん

私、昔、お母さんのことで沢山苦しんだ

だからお兄ちゃんの分もお母さんに復讐してあげた


お兄ちゃん お兄ちゃん

私、そのあとはもっと辛かったの

自分をいっぱい責めた

何度もお兄ちゃんのところにいこうと思った


お兄ちゃん お兄ちゃん

私、今ね、そんなに辛くない

でもね、そんなに楽しくもない

だってお兄ちゃんがいないんだもの



ねえ、ほんとは、私のそばにいるんでしょう?

私に見えていないだけで、ほんとは、いつもいっしょで、私にいろんなことを教えてくれるんでしょう?


お兄ちゃん、わたし、次は何をしたらいいの

お兄ちゃん

会いたいよ

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