第3話 さーどえくすぷろーじょん
ラストエピソードは~じま~るよ~。
天気は覚えていない。
常々、思っていることがある。
なぜ、男性用トイレは小と大が別々なのだろう?
全部個室でいいじゃないか、そのほうが悲劇を防げるのではないか?
悲しみの連鎖は止まらないのか、私は、すでに
していた。
そう間に合わなかったのだ。
ここは高速道路のパーキングエリアである。
運転中に襲ってくるのは睡魔だけではない。
便意や尿意といった強敵も己の内に秘めていることを忘れてはならない。
その日も強襲してきたのである。
私は、アクセルを踏んだ、次のパーキングまで30Km
今の私には、あまりにも果てしない、天竺への旅路のようであった。
尻をシートに着けていては危険であった。
運転中に中腰である。
空気椅子で運転する私。
無理だったんだ、責めないでもらいたい。
体勢が悪いのだ。
疲れないようにリラックスするように設計されてるんだよ、車ってヤツは。
もし、立ったまま運転できたなら、いや今さら言うまい。
私は今、パーキングのトイレの中にいる。
個室が開くのを待っているのだ。
個室が開くと、私は個室に滑り込む。
まずは、確認しなければならない。
ボトムスの汚れ具合と香り具合をだ。
私は下半身、裸で入念にチェックした。
まぁ、被害0とは言わないが、外観的には合格である。
パンツはもう諦めている。
ゴミ箱行きである。
とりあえず、トイレットペーパーをアホほど使い拭う。
ウォシュレットは、現代最高の発明である。
濡らしては拭き、また角度や位置を変えて濡らしては拭く。
詰まらせてはいけないので、何度も流す。
継続は力なり。
下半身をキレイにし、ボトムスを履く、ほんのり臭うが大丈夫だ。
そしてノーパンである。
ノーパンとは不安になる。
パンツ1枚ないだけで、かくも心細くなるものなのか。
ゾンビが群れる、墓場をパンツ1枚で走り抜けるゲームがあったが、
とんでもない勇者である。
特殊な性癖を持っているとしか思えない。
パンツ1枚で助けに来たと言われても、お姫様はどうなのだろう?
そんな男の胸に飛び込むだろうか。
第2話の彼女の家に帰宅した私を、猫が出迎えてくれる。
猫は、私の尻のあたりに興味深々である。
「おかえり、クサッ!お前また垂れたの!バカなの!栓して歩けバカ!」
散々、
心が折れた。
「垂れてない……漏らしただけ」
さて、私がなぜ、こんな話を書いたかというと、
『お湯ラーメン』第17話を読んでいただけると解るであろう。
軽くクロスオーバーなのである。
私は祈るばかりである。
私が『ふぉーすえくすぷろーじょん』を書くことが来ない日を。
スリーピース 桜雪 @sakurayuki
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