第2話 せかんどえくすぷろーじょん
第一話、お楽しみいただけましたでしょうか?
皆様の感想など書くヒマ与えずに一気に3話書きますよ。
その日は寒い日であった。
いつもの本屋で時間を潰す。
私は、この本屋に来ると、便意を催すのだ。
不思議なものである、人体というものは。
私は便秘でお困りの方であった。
だから、ココに来ればもしかして、そんな期待を込めての来店だ。
店内広し客多し、しかし、この中で用を足すために来店しているヤツはいまい。
店内を物色すること、数十分、ソレは動き出した。
「やっと来たか」
(焦るなオレ)
私は、すぐには動かない。
なぜなら、たまにダマしがあるのだ。
(落ち着け、見極めるんだ、心の眼を開け)
私は、しばし、ソレを泳がせた。
グッ……グルルル。
「来た!」
私は、足早にトイレを目指す。
もうココに用はない。
トイレに入る頃、いい具合に、臨界点を右往左往しているソレ。
私は個室のドアに手を掛けた。
少し油断があったかも知れない。
ちょっと、漏れた気がした。
大した問題ではない。
まだ、体外に顔を覗かせただけの、はにかみ屋さんだ。
お外の様子を
ドアは開かなかった。
そう、私の個室には先約が居たのだ。
「冗談ではない!」
一気に臨界点を超えてきた。
はにかみ屋さん、なんて可愛いモノではない。
鎖を引きちぎらんとばかりに、暴れ狂う終末の獣である。
「私もよくよく運のない男だ」
私は隣の女子トイレに向かった。
苦肉の策である。
個室は埋まっていた。
「次!」
駐車場の反対側、100m歩けばホームセンターがある。
「ソコ!」
私は急いだが走れない。
今は1歩1歩を慎重に進むしかない、だがしかし余裕もないのだ、
もはや、獣は完全に顔を表しているのだ。
「まだだ、まだ終わらんよ」
幸いなのは、硬いことだけである。
もし、柔軟性があったなら……考えるだけでも恐ろしい。
駐車場の中央で、獣はついに鎖から解き放たれた。
世界の中心で
「僕にはまだ還る場所がある」
私はノーパンで、彼女の家に帰った。
シャワーを浴びていると、彼女が洗濯をはじめた。
「あれ~?桜雪ちゃん、お前、パンツどうした?」
「……捨ててきた」
「なんで?」
「ちょっと汚した……」
「まさか……垂れたの?」
「違うよ!……漏れただけ」
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