第7話
風呂に2人で浸かり、俺は英さんを意識しだした。
「先に洗わせてもらいますね。」と断り、俺は身体を洗い出した。
すると、英さんも出てきては俺の背中を洗ってきた。
ん…英さん…貴方の手は、どこを触ってるの、かな?
「あ! …や、やめっ」
俺は近くにあった桶を掴み、英さんに向かって湯をかけた。
かけたつもりだったのに、お湯は俺の身体に付いていた石鹸の泡を消していた。
「あ… あ… あ…」
瑛さんの手は、俺の男根を優しげに握ってるが、手をスライドさせてる。
「ふ… う… っ…」
あ…、ひか、り、さ…、んっ
その英さんは言ってきた。
「お前、尻が動いてるな。固くなってきてるし、1回出しとくか。」
なに、何を言ってるのか、分からないっ…
「あうっ… あ、ああああっ!」
何かが弾けた、何が、どうなったのか?
俺は、自分の身体がふわふわとしてるのを感じた。
気がつくと、俺はベッドに横たわっていた。
隣には英さん。
でも、英さんの目は鋭い感じを出していた。
「祝わないとな。」
ん?
「誕生日おめでとうございます?」
「そうじゃないよ。童貞卒業おめでとう、だよ。」
え… ど、どーてい?
「そう、その初めてを、俺は貰ったのだからな。
喘ぎ声、色っぽかったぜ。」
と、ウインクしてくる英さん。
そのウインクにときめいた俺。
「次は、優しくしてやるよ。
でも、最後までヤってないのだから、どこも違和感ないはずだ。
違うか?」
ん?
ふっ、と優しく笑ってくる英さん。
実を言うと、最後までヤったことないんだよ。
ヤリ方知らないんだ…
でも、次回があるのなら、その時までには色々と情報仕入れとく。
だから、約束して。
他の誰にも、この身体を触らせないで。
うん、約束する。
勇気を振り絞り、俺は英さんに言った。
「あ、あのさ…キスして。
俺、英さんのキス、好きなんだ。」
そう言うと、英さんは一瞬目を見開き、そして意地悪そうに目を細めた。
「キスだけ?」
「え、い、いやキスだけじゃなくて・・・」
そしたら、優しく微笑んでくれて言ってくれた。
「じゃ、お言葉に甘えて。」
「ん。」
俺は目を瞑り、英さんのキスを堪能する。
英さんの温もりを感じて、翌朝まで眠りについた。
朝食後、今度は9月のテスト勉強をした。
英さんの教え方が上手なのだろう、分かりやすく説明してくれる。
なるほど、そこはそうなるんだ。
そして、昼食は外食した。
ふと時計を見ると、15時過ぎてる。
お兄ちゃんの事があるので、少しでも早い方がいいだろう。
英さんが駅まで見送ってくれて、俺は帰宅した。
すると、お姉ちゃんが庭に居るのが見えた。
「あら、早かったのね。夕食の時間にって言ったのに。」と、
「うん、夕食の一品にと思って、コレ買って帰ったの。」
玄関のドアに手を置き、回す。
「奈胤は、玄関にいるよ。」
昼食食べてから、ずっと陣取っていてねぇ、邪魔なことこの上ない…
と言われたが、時遅し…
「うわっ!」
俺は玄関を開けると、お兄ちゃんが腕組みをしては仁王立ちしていたのに驚いた。
「えーと… ただいま、お兄ちゃん。」
それと、ごめんね。何も言ってなくて。
でも、いっぱい勉強できたよ。夏休みの宿題だけでなく、テスト勉強もしてきた。
少しだけど頭の中はお利口さんになったな、と自分でも思えるほどなんだ。
しばらく無言だったが、
「いつまで電源切ってるんだ…」
お兄ちゃんの口から出た言葉は、これだけだった。
ー 追伸 ー
ごめんね、お兄ちゃん。
でもね…
お兄ちゃんを騙せれるかどうか不安だった。
だけど、騙そうとしなくて良かったなと思ってるんだ。
その点に関しては、担任に感謝だね。
ー 完 ー
合宿、それは出会いの始まり 福山ともゑ @asami_f
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます