動きやすくなるのならば、助かる。
ミャイの目が輝く。
「それじゃあ、たくさんリボンをつけたりしても、大丈夫ね!」
声がはずんでいる。私はまた、うなずいた。
「それじゃあ、私の好きにさせてもらっても、いい?」
ワクワクしてるミャイの姿に、一抹の不安がないではないが、これから屋根裏の部屋に住まわせてもらうのだから、そのくらいはかまわぬだろう。
「ああ」
それに、動きやすくなるのならば、助かる。
そう考えて、私はミャイに許可をした。ミャイはうれしそうに、どこかへ走っていき、箱を持って戻ってきた。
色とりどりの紙箱をあければ、リボンがきれいに並べられている。これで、私をかざりつけるのか。
「長いから、編みごたえがありそうだわ」
ウキウキしながら、ミャイがあらためて額の毛に櫛を通す。
「白い毛と、砂色の毛があるから、どっちも、うまく見せたいなぁ」
そう。
私は白の毛をベースに、黄土色の毛が顔の半分から背中にかけて、模様をえがいている。ドミノ、とかいう種類の模様なのだそうだ。
ミャイはたのしそうに、私の毛をあるていど掴んでは、器用に編んでいく。そしてリボンを選び、結ぶ。
じっとしていると、眠たくなってきた。
見知らぬ場所で、気づかぬうちに疲れていたのだろう。
毛がときどき引かれるのを感じながら、私はゆるやかに眠りに落ちた。
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