2-2-6) 出会い2

お久しぶりです。お待たせしました。定期試験でバタンキューですが更新再開です。

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ふかふかベッドでぐっすり寝込んだ私は、次の日...


見事に寝坊した。


起きたら外が明るくて、何時か確認しようにも時計がなくて、そうだとARHMDを着けて確認したら12時。もうお昼どきです...


キッチンに行って簡単なご飯を作る。やっぱシンクとか料理するところとかが小さいよね...どうするんだろう。とりあえずお腹が空きすぎてご飯を炊く時間が無いと言うかそもそも炊き方が分からないからシリアルらしき物を食べる。牛乳はこの時代も相変わらずで、でも少しさっぱりしてるような印象を感じる。


シリアルを食べて身の整頓を済まし、外に出る。今日は住所登録に役場に行くのだ。


そんなわけで、ARHMDで車を呼び出す。ココらへんの操作は、昨日ユリちゃんに教わったからバッチリだ。この時代は車はみな共通のもので、こうやって呼び出して使うらしい。


そして到着した車に乗り込んで、いざ役場。


二回目でもその大きさには圧倒される。頭がクラクラしそうだ...

エレベーターに乗り込んで、住民課で降りる。近づいてきたロボットに要件を伝え、ARHMDの番号を入力する。これでHMD上に連絡が来るんだそうだ。


ピピッっという音と共にカウンター番号が表示される。言われた所に行って、住所登録を済ます。ココらへんの流れも昨日クラウスさんに教わったとおりだ。


と、私が登録をやっている隣のスペースで同年代ぐらいの男女二人組と一回り年上の女性がお話をしている。何やら研究の進み具合について相談をしているらしい。


「登録が完了しました。ご利用ありがとうございます」


そう言われてカウンターに向き直ると、ARHMDに情報がずらっと流れてくる。


「今後必要な書類がございますので必ずお読みになってください」


ニコニコしながら話をすすめるカウンターの人にお礼を言って、エレベータへ向かう。すると、先ほどの男女二人組もこちらに向かってくる。私はエレベーターを開けて二人を待っていた。




「ふう〜とりあえず当面の危機は去った!」


「もっと余裕を持って提出しなよカイ兄...」


「仕方ないじゃん、なかなか難しい研究内容なんだぞ?」


「そうは言っても期間だってそれだけ長めになってるんでしょ?」


「うっ、それは...」


「あ、カイ兄、エレベーターでさっきの子が開けてくれてるよ、急ごう」


「あ、本当だ」


研究内容を締め切り15分前に提出した俺は、昨日の朝みた女性であろう人を役場で見つけた。今はもう普通の服装だが、どう見てもあの時の彼女の服装はレトロチックだった。どんな研究してるんだろうなー...


ドアを開けて待っててくれた彼女にお礼を言いつつエレベーターに乗り込む。ドアが締まり、気持ちのいい落下感と共に一気に地上まで降りていく。


しかし気になるなぁ...少し話し聞いてみるかな...

と思っていた矢先。


「......よしっ」



「あのー...もしかして昨日の朝公園に居た方ですか?」


「ひゃい!?あっ......はい...そうです...」


(ロゼ、いきなり声かけたら誰だってそうなるよ...)


俺がそう思っているのもつゆ知らず、ロゼは好奇心を抑えきれずに、話を聞いてみたいという衝動そのままに話し始めていた。


「やっぱそうですよね!なんか凄い戦争前のデザインみたいな服だったのですごく気になってたんです!」


「は、はぁ...」


押され気味な彼女だが、ロゼはそんなことはお構いなしに喋る。


「どこらへんに住んでるの?」


「えっと、ここに来たばかりであまり詳しくないです...」


「そっか、それで住民課に居たのね!それじゃあ、学校は決まってるの?」


「まだです...」


「そうか〜」


「ロゼ、彼女困ってるだろ、そこら辺にしときな」


「あ、ごめんなさい!ついつい気になっちゃって...」


「いえいえ、いいですよ。来たばかりだったので知り合いができて良かったです」


「そうだ、それじゃあ家に遊びに来ない?」


「おいおい...」


「いいんですか!?」


わお、思ってたよりも凄い反応。もしかして、意外と活発な子だったり?


「いいよいいよ!なんかレトロ好きみたいだし、ショーギしようよショーギ!」


「将棋ですね〜!将棋なら負けませんよ!」


「ふふふ、"振り飛車の神"と呼ばれた私に勝てるかなぁ...?」


「対振り飛車は得意分野です...!」


おいおい、勝手に話が進んでるけど、本当に連れて行くのか!?


「え、本当に遊びに来るの...?」


「もちろん!」


「お邪魔でしょうか...?」


「いやいや...」


「それじゃあ決定!」


既に俺たちは乗降場まで来ていた。

こんな役場で知り合っただけ、しかも名前すら聞いてない人を家に呼ぶって大丈夫なのか...?


まあロゼがいいって言ってるしいいか。


「それじゃあ一緒に乗っていこう!」


「はい!」




車の中、レトロが好きなロゼは彼女に質問攻めをしていた。


「凛、って名前も戦争前みたいだよねぇ〜!ご両親も歴史研究家だったりするの?」


「い、いえ...両親は普通の研究家です」


「そっかー」


「ロゼさんは何を研究しているのですか?」


「いいよいいよ敬語なんて改まっちゃって、今の時代敬語とか古すぎて役所の人しか使わないよ〜?」


「ロゼ、嘘はだめだぞ。目上の人には敬語を使わないと。最低限のマナーだぞ」


「カイ兄はうるさいんだから。私はね、戦争前の研究をやっててね、皇国の当時の文明について研究してるんだ」


「へ、へぇ〜......凄いですね!」


「そんな、照れる〜!」


凛さんとロゼは年齢が近いこともあってすぐに打ち解けた。まぁ、大体ロゼが喋りまくって凛さんが相槌を打ってるだけなんだけどね。


そんなこんなで我が家に到着、お部屋にご招待。二人は将棋がしたくてたまらないらしく、すぐに駒を並べ始めた。ロゼも最近俺に負けてばかりで悔しいのだろう、しかし凛さんに勝てるんだろうか...

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