□時給：900〜（深夜帯・残業時は割増）

□備考：軍手・カッター・作業着・スーツ等は自前

□至った経緯

　高収入！日払い！の見出しに釣られ、副業とすべく登録会に向かったのがきっかけ。他に理由は無い。

□業務内容

　この仕事の場合、業務内容よりその前後の手続きのほうが面倒だったりする。

・仕事の選択、またはシフトの提出

　会社によって異なるが、自分でシフトを出し、会社から連絡を待つ方式と、会社から提示された仕事を自分で選び申し込む方式に大別される（副業という都合上選択制のほうが適しているかと思われる為、基本は後者を中心に述べていく）

・前日、前々日連絡

　いずれの場合も、前日、前々日の連絡は必須となっている場合が多い。基本は指定されたサイトからワンプッシュで行えるケースが専らだが、これを忘れると電話で確認が来るか、より割りきっている会社だと自動で名簿から削除される（連絡が来なかった時点で、予備のスタッフが割り当てられ、若し当日出勤したとしても「おめえの席はもうねえから」状態となる。

・当日連絡

　遅刻を防ぐ為に、当日の出発連絡が課せられている場合もある。前日連絡を行っていれば名簿から外される事は無いが、確認の電話が飛ぶ。

　この幾つかの試練を乗り越え、やっと当日の勤務となるが、それ自体は特に難しい事は無い。スーツ姿での運営補助をやらされる訳だが、会場撤去や軽作業を経て入れば何も問題とすべき点はないからだ。

　ただ唯一、アイドルや歌手が関わるコンサートやイベントに関してだけは気をつける必要がある。彼、或いは彼女たち、またはファンの機嫌を損ねない様に最新の注意を払う事。特に顔を見るな、列整理時を除いては外を向けなど「イベントを楽しむ目的で参加していない姿勢」は徹底される。つまりお客は金を払ってアイドルや歌手に会いに来ているのに、スタッフが金を貰いながら、より間近で彼、あるいは彼女たちに接するのはクレームの元という当然の理屈に基づく。

　だから筆者の様に、そもそもアイドルや歌手にろくな興味も無い人間がやる分には向いているのだろうが、そうでなく、おっかけやファンの延長線上で従事するのなら危ういぞといった、その程度の話と思って欲しい（事実面接でファンを公言する事で外されるという風聞も聞く）

　列整理や会場の撤去が終わればもう終業。

　あとは例によって派遣会社ごとに再集合し、資料の返却や点呼を終えて解散となる。

・勤務時間、残業時間の報告

　こちらもサイトから、現場で告げられたのと同様の内容を各自が記入し送信する。これを終えるまでが仕事と言って良いだろう。あとは帰宅するだけだ。

□デメリット

　ぶっちゃけ、本業にするメリットは絶無だと判断している。というのも、会場撤去の仕事と同じく交通費は事務所起点で、さらにスーツ着用の場合はクリーニング代もかかる。そのくせ時給は最低限と、前後も合わせる全く手間に見合っていないというのが実情だ。特に「いつでも替えの効く君たちはパーツに過ぎない」という、システムで管理されているからこその非情な合理性は、日雇い以上に精神的に摩耗する側面がある。自宅の近所でたまたまイベントがあって、それが休日と符号したとでもならない限りは、無理に応募する必要は無いのではないだろうか。

□総括

　イベントやコンサートの裏側を覗いてみる為に、数回従事してみるのは良いと思う（筆者は、近所でイベントが行われる場合のみ小遣い稼ぎ感覚で選んでいる。スーツは都度でクリーニングに出すし、そうそう多くは出勤出来ない）

　現場の都合で早めに終わってしまう場合もあり、その場合は時給そのものが低くなる訳だから、安定した収入にも繋げづらい。たまに除くぐらいが、精神衛生上も好ましいだろう。