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 異端の魔術師の弟子は、家にあった本を全てベルウェント国へ寄付しました。

 交換条件として、とある花に名付ける資格を得ました。


 発見者名に師匠の名前が記載してあり、名付け親として弟子の名前が本に記入されました。

 それに満足した弟子は、その本一冊を貰い、師匠のもとへと届けました。


 弟子は、2年半に蓄えた知識と魔術で旅に出ました。

 師匠の杖と、手紙を持って。長い旅に出ました。














「どう? とてもいい話でしょう?」

「お弟子さんはどこに行ったの?」

「さあ…。今頃、どこかの空を飛んでいるかもね」

「ふーん…。おうちに帰りたいって思わなかったのかな?」

「思わなかったでしょうね。とても幸せだったから」

「そっかー」

「またその話か。きないな」

「父上!」

「あーらー、国王陛下。お仕事はしなくても?」

「終わった」

「それにしては、先ほどから貴方の名前を叫びながら走り回っている騎士様たちがいらっしゃいますけど?」

「そんな呼び方はするなと前から言っているだろう」

「そーでしたっけ?」

「お前は相変わらずだな…」


【ロイ】が一輪、咲いた。

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永遠の一花 慧 黒須 @kross_72

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