冬に愛(お)しむ

ずっと一緒に

 冬は嫌い。


 とりわけ、全てが凍りつくこの国の冬は、心まで凍えてしまいそうで。

 白く降り積もる雪が大地を覆い、春の芽吹きを待つ草花達の寝床になっているんだとあなたは言うけれど。

 眠りに就くなら、私は温かい腕の中が良いわ。



 冬の夜は好き。


 凍えた身体をゆっくりと溶かし温めてくれるあなたを、一層近くに感じられるから。

 氷のように冷たい指先で触れると、あなたは少し困ったような顔をするけれど。

 それでも強く抱きしめて、優しく温めてくれるから。


 あなたが居れば、私は平気。



 ねえ、シグリド。

 春が来たら、また一緒に旅をしましょう。




〜ずっと一緒に〜 了

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