シフト制の狩人ですが?

月が綺麗ですね

第1話

母に昔歌ってもらった懐かしい歌…

ある日森で熊さんに出会った。

花が満開の森の道で熊さんに出会った。

熊さんは言いました。「早くここからお逃げなさい」

言われた通りに駆け出した私をなぜだか熊さんは追いかけてくる。

そして言った「これ、落としましたよ」

なんて優しい熊なんだ!僕はその熊に拍手を送りたい!そして言いたい!

「そんな熊…幻想だぁぁぁぁああ!」

熊だよ!熊!襲ってきますよねそりゃ!あの歌間違ってるよ!「出会う」なんてとんでもない!「出遭う」だよねきっと!

振り返ればすぐそこに爪牙を剥き出しにした熊さんが。あら恐ろしい。

なんて考えている間にも熊さんは距離を詰めてくる。

どうしてこんな事になってしまったのか。いや、まぁ、僕の腕の中に輝く金色の液体が原因でしょうね。

「あのジジイぃぃぃっ!何が簡単なお仕事だよ!はっ。簡単(に命を落としそう)なお仕事の略か!」

そんな事に気を取られているうちに熊さんとの距離3m。

「無理だろ!これは死ぬであろう!」

あぁ、みんなの顔が浮かんでは消える。みんなが手を振っている。長老も笑顔で爆笑して…


〜1〜

「ほんとにさ、僕の命をなんだと思ってるの?ね、死にかけたんだよ?わかる?」

「はいはい、生きてるから結果オーライじゃ、さっさと報酬受け取って帰れ!」

納得いかないが長老も暇ではないみたいなので渋々腰をあげ館をでる。

ここはザハール帝国の最北端の村、ファッジ村。人口もそこまで多くなく村を歩けば顔馴染みしかいない。特に特産物があるわけではないがこの村は国では少し有名だったりする。

なんと村の人口の半分が狩人だったりするのだ。かく言う僕もその1人なわけで、

「さすがに熊さんの隠れ家からハチミツ奪還は辛いだろ…」

依頼をこなしてきたばかりである。

この村では狩人がたくさんいるという事で村人や近隣の村、また国の政府や貴族様からも依頼が舞い込むことがある。そして依頼をこなし報酬を得ることで村が成り立っているのだ。

とはいえ村人の半分が狩人のこの村は狩人で溢れかえっているのが現状である。故に狩人はシフト制で依頼を受けていくのがこの村のシステムなのである。

ただし竜の討伐とか、危険区域の探索とか難易度の高いものは長老直々にご指名で依頼を割り振ることもある。

そして1番大切なのが階級だ。

S〜Eまで6つの階級が設けられ、それぞれの階級に見合った依頼を受けられるのだ。


ちなみに僕はB!高くもなく低くもない至って平凡階級さ!

「っと。次の仕事は明後日の夜かー。夜の依頼といえば夜行性危険種の討伐が多いんだよなー、やだねぇ」


シフトは朝昼夜で分けられ朝と昼が主に探索依頼が多い。夜は危険種が活発な時間のため討伐系の依頼が多くなりやすい。

「前回の依頼はきつかったなぁ」

「お前が足引っ張るからだろ」

「あ?」

頭上から降ってくる声に顔を上げると視界が真っ暗、顔面に感じたのは鈍い痛みだった。


続く。

今回の要約!

熊に追いかけられて死にかけたよ☆

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