作家は好きなように小説を書いてもいい
こんにちは、埴輪です!
現在クラウドファンディングで資金を募っている、某小説販売プラットフォームのページを見てみると、2019年8月31日現在、支援者の数が「読者」<「作者」となっているのが、世の中の「現実」なのだろうとしみじみ思います。
私自身、出版社を介すことなく、読者が作家に代金を支払うような仕組みは理想だと思いますが、それを「現実」のものにするためには、誰もが気軽にお金を使えるような世の中にならない限りは、難しいのではないかと思います。(私もお金さえあれば活動を支援したい人、活動は色々ありますが……何しろ、お金がない!)
人間、使えるお金には限りがあります。
だからこそ、より効果的に使いたいと思うのが人情だと思います。
無料で小説が読めるサイトが人気というのも、無料だからに他なりません。(もしカクヨムが有料だったら、この近況ノートも存在しておりませんしね!)
では、どうしてお金を払って小説を読むことになるかといえば、そこにお金を払うだけの付加価値があるからだろうと思います。(小説の価値そのものともいえる物語は無料で楽しめる訳ですから、追加でお金を払う必要はありません)
書籍化というのも付加価値の一つであり、そこにお金を払うだけの価値があると認めている人がいるからこそ、出版業界は存続しているのだと思います。(私の小説も、書籍化されたなら買ってみようと思ってくれる方がいるはず……!)
それもあって、売れそうな作品を選んでいくこと以上に、小説投稿サイトで人気のある作品が書籍化されていくという流れは自然なものであり、それが覆るのは、前述の通り、誰もが気軽にお金を使えるような世の中になる必要があると思います。
……と、小説とお金について長々と書いてきましたが、誰もが自分の小説を売りたいと考えている訳ではないと思いますし、全ての作家が抱いている願いは、自分の書いた小説を読んでもらいたい……ただ、それだけだと思います。
その上で、自身の小説を価値あるもの、売るに足るものと認めてもらえたなら、書籍化してプロデビューも……そんな風に思っているのは、私だけはないはずです!
私の場合は、仕事による収入が乏しいことに加え、仕事の他にできる価値あることが小説しかないため、電子書籍を販売させて頂いておりますが……といっても、8月は一冊も売れてません! ……、自分が書きたい小説、面白いと思う小説を書くというスタンスは変わりませんし、この先も売れることを第一に考えた小説を書くことはない……というより、書くことはできないと思います。
ともあれ、小説を売るために個人の力では限界がある……あるいは、個人が小説を書くこと以上に売るための努力が必要という状況の中で、小説がさも書けば売れるものであるかのように扇動する力、流れを感じることがあります。
それはつまり、小説が売れるもの、商品としての価値があるということを謳っているわけですが、どうも小説の中身というよりは、商品としての小説にしか目を向けていないのではないか……そんな風に、感じてしまうのです。
確かに、小説……それも電子書籍という形に限定すれば、主な生産コストは作家の時間と努力のみであり、それが売れるというのなら、僅かな仲介手数料であっても、儲けが期待できるのかもしれません。(立ち上げの資金は、クラウドファンディングで作家と読者自身から集められる見込みのようですし……!)
ただ、そうした都合に作家が合わせる必要はないというのが、今回の主旨です。
「売れる作品」=「面白い作品」という価値基準だけになってしまうと、作家はこぞって売れそうな作品を書くようになってしまいます。
もちろん、売れる作品が面白くないとは言いませんし、面白いからこそ売れているということに関しても、否定するつもりは全くありません。
ただ、何をもって面白いと判断するのは人それぞれなので、書籍化しても売れそうではないけれど面白い……そんな「ひねくれた作品」もあるはずで、何を隠そう、私は自身の作品の多くはそれに該当するものだと思っていますが、そうした作品が評価される可能性があるのは、無料で小説が読めるサイトだと思います!
せっかく、自分の好きなように小説を書ける場が無料で利用できるのですから、それを存分に生かした作品作りを追及するのも、一つの道ではないかと思うのです。
そういった多様性の中から、新たな物語が見つけ出される日が来るに違いない……そう期待してはいるのですが、様々なコンテストの最終選考に残った作品のタイトルを見る限り、当分、そんな日はこないような気もしつつ、なれば、その最初の作品になってやるぐらいの気概で、自身の作品に打ち込んでいきたいものです!
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