祝!第13回MF文庫Jライトノベル新人賞 第一期予備審査 第一次選考を通過!(所感と考察)

こんにちは、埴輪です!


お陰様でタイトル通り、『第13回MF文庫Jライトノベル新人賞 第一期予備審査 第一次選考』を通過しました!


もちろん嬉しいですが、それ以外にも色々と思うことがありましたので、それを率直に書いていきたいと思います!


まず、今回はカクヨムに投稿している以下の作品を全て応募してみました!


『アンダークラウド』

『久遠のシオン』

『人形のカプリス ~やさしい戦争~』

『ケータイ・ガール ~携帯観測~』

『カラクリ・オーバチュア ~アイドロイドは紅白の夢を見るか?』

『ネスト』


これは、「MFJライトノベル新人賞」が「応募者全員に評価シートを送付」するという唯一無二のコンテストだからです!(私が知らないだけかもしれませんが……!)


これらの作品が「MFJライトノベル新人賞基準」でどう評価されるのか興味があり、この様な暴挙に出たわけです!


……その結果、思いもよらぬ、興味深い結果が待っておりました。


まず、通過した作品は『アンダークラウド』です。

六作品も送ったのに一作品しか……というのはこの際問題ありません。

というより、「すでに何らかのコンテストに応募し、落選した作品を、ほぼ無修正で応募した」のですから、一作品でも突破したことは御の字だと言えます!


では何が興味深いかと言うと、この六作品の中で『アンダークラウド』は最も昔に書かれたものだからです!

どれぐらい昔かというと……2007年9月頃ですから、「9年前」ですね!

9年前というと私が執筆を本格的に始めた事で、本作は長編の第二作。

さらに、「第2回小学館ライトノベル大賞第一次選考通過」作品でもあります。


……ここまで書くと、少しは興味をもって頂けたのではないでしょうか?


――2007年4月。

私は長年処女作となる『鉄と砂の少女』を書き上げ、「電撃大賞」に応募しました。

それが私のコンテスト応募履歴の最初になるわけですが、そこでは一次選考を通過することができませんでした。


そして9月、私は長編第二作となる『アンダークラウド』を書き上げ、ま第二回という「小学館ライトノベル大賞」に応募し、一次選考を通過することができたのです!(惜しむらくも、この頃は一次選考通過では評価シートを貰えませんでした)


……いやー、嬉しかったですねぇ。

しかもコンテストに応募し始めた初めの年に一次選考を通過できたのですから、単純な私が「才能があるかも?」と勘違いしてしまうのも無理はありません。


そして現実は……まぁ、ご覧の通りです!

ただ、9年も前に書いた作品が、今一度コンテストで一次選考を突破することになるとは……人生、本当に分からないものです!


さて。


私は今回の結果を踏まえ、色々と考察してみました。

すると、色々と腑に落ちるというか、見えてきた点がありました。


まず。


これはご覧の皆様も感じていることではないかと思うので言及しますが、9年前と今の私を比較すると、間違いなく今の方が小説を書く力は向上しています!


……誰ですか、「9年前がピーク」とか言ってる人は!

もう、カムチャッカ半島ですよ?


これは作品を見て頂ければ一目瞭然……だと信じたい!

最近の作品の方が、格段に読みやすくなっていると思います!


むしろ上達したために、今回の結果になったというのが私の考えです。


9年前に『アンダークラウド』を書いていた時の状況を考えると、とにかく書き上げる……その一念しかありませんでした。

当時、ありがたいことに職場の同僚が作品を添削してくれていました。

第一作の『鉄と砂の少女』も添削してくれましたし、どこが良かった、悪かったという感想も頂けました。

それを受け手の第二作ということで、モチベーション的にも、状況的にも、かなり良い状態だったことは間違いありません。

ただ、実際の私は本当に書くだけで精一杯、プロットやら何やらとかいう技術的な事は、一切考慮していませんでした。

自分の中にある面白いというものを、とにかく書き上げたい……ただそれだけだったと思います。

これが功を奏したのは間違いないと思いますが、それだけでは単なる精神論で終わってしまいます。

それだけで上手くいくなら、私はとっくの昔にデビューできているはずです!(おこがましいかもしれませんが……!)


では何が良かったかというと、作品のテーマや物語がライトノベル向きだったこと……さらに言えば、「エンターテインメント」だったことが大きいと思います!


この頃、恐れを知らない私は、空の上に浮かんだ大陸というファンタジーを世界を、大した知識もないまま、行き当たりばったりで書き上げました。

その結果、私がこれまで書いた作品の中でも、かなり壮大なものとなっております。


内容もジュブナイルといいますか、ボーイ・ミーツ・ガールといいますか……とにかく、大冒険でした!(書くこと自体がすでに冒険でしたし……!)


9年前も今年も、私はこのエンターテインメントが評価されたのだと思います。

そして、9年前に落選したのは、単に筆力が足りなかったからではないかと。


では、それ以降の作品が………筆力が年々上がっているとした上で、どうして落選続きだったのか。

そしてまた、なぜ今回も落選してしまったのか。


その理由も、エンターテインメントに尽きると思います。


『アンダークラウド』で味を締めた私は、そこで一つ大きな勘違いをしてしまったのだと思います。

それは、「自分が面白いと思うものは、皆も面白いと思ってくれるはずだ」という勘違いです。


先に挙げた通り、『アンダークラウド』は一切小細工なしで、自分が好きなもの、面白いと思えるものを詰め込んだ作品です。

それが評価されたため、私は「自分の考えることは面白いんだ!」と自信を持ってしまったのだと思います。


私にとって第三作は、ページの関係で応募しておらず、カクヨムでもまだ公開されていない『殺し屋ホリデイ』という作品です。


これは私が世の中に抱いている思いや、疑念、無情さを描いた、私らしさ全開の作品だったのですが……今にして思うと、評価はいまいちだったように思います。

ただ、個人的には応募した電撃大賞で一次突破もできるだろうと思っていた作品で、それだけのものだという自信もありました。


ただ、結果は一次選考を通過することができませんでした。


これはなぜかと考えると、一般受けするような内容ではなかったことが大きいです。

タイトルに「殺し屋」とある通りダークなお話、シーンも盛り込まれており、好きな人は好きだろうという感じ。


……そう、まさに「好きな人は好きだろう」という思いが、すでにこの時点で生まれており、それ以降の作品においては、「好きだと言ってくれる人が一人でもいればいい」という開き直りとなり……現在に至ります。


また、同時に「面白い作品を書いていれば、必ず評価して貰えるはずだ」という幻想を抱き始めたのも、この頃からだったと思います。


これは、先に挙げた「自分が面白いと思うものは、皆も面白いと思ってくれるはずだ」という勘違いに起因するもので、最終的には「自分が面白いと思う作品を追求していけば、いつか必ず評価されるはずだ」という思いとなりました。


……ここで補足をさせて頂くと、「自分が面白い作品を追求していけば、いつか必ず評価されるはずだ」という思いは、決して間違いではないと思います。

ただ、ここで気をつけないといけないのは「いつか」という言葉。

「いつか」は「いつでもいい」ということであり、それは一年後でも、十年後でも、百年後でもいいと言っているのと同じです。

また、「自分が面白い作品」というのは、どんな作品を書いても「自分は面白いと思うんだけどなぁ」という逃げ道になってしまい、例えそれが第三者から「面白くない」と言われても、「そう言う人もいるよね」となり……成長の余地がありません。


これを踏まえた上で、「自分が面白い作品を追求していけば、いつか必ず評価されるはずだ」と考えるのはいいのですが、私の場合は「いつか」と言いながらも、「出来るだけ早く」と思っていたのは間違いありませんし、「どうして自分の作品が評価されないんだ」、あるいは「自分の作品を評価してくれる人とまだ出会えていないだけだ」という考えも持っていたのだと思います。


……と、ここで話をまとめます。


『アンダークラウド』が評価されているのは、それがエンターテインメントだから。

エンターテインメントとは、多くの人が面白い、楽しいと思うことであり、それこそがライトノベルだと思います。


一方、落選した作品が全て『アンダークラウド』より面白くないかと言えば、決してそんなことはないと思います。

少なくとも、文章力が向上し、読みやすくなっているはずです。

ただ、その面白さの基準はあくまで私であり、私の考えに共感できる方にとっては、『アンダークラウド』より面白いと思いますが、その逆もまた然りです。

こうした性質から、多くの人に受けいれられるかと言えば疑問が残り、それはコンテストの下読みをする方にしても、同様だと思います。


また、自分が面白いと思える物語を、誰もが納得できる形で描ききる筆力があれば、また違った結果につながっていた可能性はあり、それは今後「リメイク」という方向性で考えたい部分でもあります。


……以上が、今回の第一次選考通過を受けての所感と考察になります!


9年という時間はかかったものの、ようやく私はエンターテインメント……ライトノベルというものの性質が分かってきたように思います。

もちろん完全とは言えませんが、昔のように徒手空拳で臨む、あるいはただ自分というものを盲信して臨むのではなく、目指すべき方向性を見据えた上での執筆が、今後はできるのではないかと思います。


……とは言いながらも、今回小学館ライトノベル大賞に応募予定の作品は、「自分らしさ」や「自分の考え」が全開です。

これだけだったら結果は火を見るよりも明らかですが、私は今回、ここにエンターテインメントを加味することに注力しました!

このハイブリッド小説がどのような評価を下されるのか……非常に楽しみです!


また、次回作はよりエンターテインメントを意識した作品を執筆予定で、10月はそのための準備、勉強期間を予定しています。


長々と書いてきましたが、こういう実例が皆さんの執筆活動の何か参考になれば、これに勝る喜びはありません!

なお、『アンダークラウド』の選考結果については、判明次第お知らせ致します!


また、『アンダークラウド』はカクヨムで公開中ですので、良かったらぜひ読んでみてください!(その他の作品も是非……!)

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