雪深い北方の地で、偶然起こった少年と王女の出会いが、国を揺るがす大きな動乱を巻き起こす。ボーイミーツガールから始まるファンタジックな冒険譚と思いきや、少年少女は意外なほどにハードな世界へと身を投じることになります。
文章は読みやすく、情景・心理描写ともにしつこすぎず、かつ足りなすぎず。物語の世界観やキャラの心の動きが自然と頭に浮かんできます。特に雪に覆われた北国の描写は、同じく北国出身である私にとってリアリティのあるものでした。
ストーリーに関しては、ここで触れないでおくことにします。壮大なクロニクルを予感させるものはありますが、まだまだ物語はその全容を明らかにしていないからです。
文庫一冊文以上の分量はありますが、前述のとおり文章は読みやすく、サクサク読了できるかと思います。
ストーリーの進行に若干の冗長さを感じること、またあらすじにある内政の要素がまだほとんど登場していないことから、星評価は暫定としています。
ともあれ、早く次の話が読みたくなる作品であることは間違いありません。ストーリーがある程度進行したとき、改めてレビューを書きたいと思います。