流れるような情景、歌い上げるように丁寧な言葉による描写。会話は最小限、地の文でしっかりと表現してみせる、正当派のストーリーテラーです。惜しむらくは怪異を怪異と感じる常識人としてのキャラがあまりに少なく、怪異のインフレ現象が起きていることでしょうか。しかし、それを上回るほど魅力的なキャラたちが次々現れては次の展開へと読者を誘っていきます。1話目にしてすでに目が離せない、他に類を見ない怪異録。