一節 青褪めた剣を握りしめ

青の記憶





 ――どうして、私だけ!





「どうして? 用済みだからだ。あの八体は」


 白衣の精霊は冷淡に言った。


「ああ、今の君もだが」






 ――許さない、絶対に、許さない……!






「その憤怒を、絶望を、私に委ねるというのならば」


 黒衣の怪人は悲しげに謳った。


「その復讐、悔恨、挑む機会は作れましょうぞ」






 ――テンボトアンも、ヴェイフレイも、手を貸した魔術師も。






「契約は成立した。かの悪魔を殺すため、死に抗うための力を授けよう」


 最後の天使フェーリムは翼を広げた。


「忘れられた剣の秘奥と、金の血の秘儀を、君に」







 仇は三人。




 形見は九つ。




「――必ず、殺す」





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