第7話 新皇帝

愛莉亜は、そのとき立ち上がり、


「お兄様っ」


と、叫ぶ。


帝王学を教えていた宮廷教師が、何事かと目を瞠る。


「そんなまさか。お兄様が……」


愛莉亜は顔を両手で覆い、泣きだす。


ラフィアの加護は、いにしえから続く祝福ゆえに、次期皇帝に引き継がれた。途絶えることなく。


それにより、愛莉亜は零音の命が尽きたと理解した。


ラフィアの加護が、自分に与えられたのを感じたからだ。


白銀の光りが、愛莉亜の涙を吸い込んでますます強く輝いた。













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宝石の寵愛 空沢 来 @kaidukainaho2seram

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