悩み相談の記事をスクラップ

新聞や雑誌を読んで気に入った言葉があると切り抜き、ファイルに挟んでは、整理もせずどんどん溜まっていきます。


新聞の切り抜きの1つに『悩みのるつぼ』があります。毎週土曜日の連載記事です。2010年からスクラップを始めています。


毎週切り抜く訳では無く、お気に入りの回答だけです。4人の回答者の中に経済学者で大学教授の金子勝先生がいらっしゃいます。


投稿者の悩みに参考となる本を提示し、ストーリーを紹介しながらアドバイスをおくるスタイルです。

投稿者が自覚していない問題点を洗い出し、これからの方向性を示されます。


それにしても回答からは、先生の読書量の多さと本のジャンルの幅広さを、読者の私達は思い知らされます。その上先生の人生経験が加味され、解決出来ない相談ばかりですが、相談者の悩みに寄り添う言葉は優しく、必要十分な回答に思えます。


切り抜きからだけですが、紹介された本は、有名どころで太宰治『津軽』、小林多喜二『蟹工船』、川端康成『母の初恋』、福沢諭吉『学問のすすめ』、ヘミングウェイ『老人と海』


童話からもイソップ物語『2人の兵士と泥棒』、アンデルセン童話『裸の王様』


セルバンテス『ドン・キホーテ』


そうかと思えば、若い作家で朝井リョウ『何者』を紹介しています。


ここから私の知り得ない領分で、先生の本領発揮。

93才のレジスタンス運動の闘士ステファン・エセル『怒れ!憤れ!』

ハンナ・アーレント『イェルサレムのアイヒマン―悪の陳腐さについての報告』

黒人のマヤ・アンジェロウ『私の旅に荷物はもういらない』

ジョン・スチアート・ミル『ミル自伝』等々


哀しみ、怒り、辛さ、性の悩み、人の負の感情は時代を越えて必ず本に記されていると何かで聞いた記憶があります。


特に若い人に「私の事が書いてある!」と思える本があれば、嫉妬、いじめ、絶望などの感情が慰められます。


ジグソーパズルの様に、自分の心にピッタリはまるピースの様な本に出会えると、この上無い幸せです。


その出会いを探すには、海の様にある本の中からどうすればいいのか。

書店員、司書と言えども金子先生の様にぴったりな本は提供出来ません。


悩みの言葉を打ち出し検索すると、古今東西の名著が表示される本のwebサイトがあれば、本探しの助けになりそう…とぼんやり思ったりします。

膨大な量の本を読んでこられた先生方の監修の下で。

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