齋藤孝『語彙力こそが教養である』 感想文。この本を読んでほしい人に読まれない事が悩ましい

齋藤 孝著『語彙力こそが教養である』を読むと共感する部分が多くありました。


出版社に送った感想文です。


…………


齋藤先生の『語彙力こそが教養である』を拝読いたしました。共感するところが沢山あり筆を取った次第です。


座右の銘について書かれています。(P69)

「人間性、作品全体の流れを無視して語れる言葉はない」の文に、“ああ そうだったのか”と思わず膝を打ちます。


以前腑に落ちない事がありました。

本を読んでいて、感動的な言葉に傍線を引きます。

数日後その言葉を読み直し、どうして線を引いたのか分からない時があります。


作品全体の流れの中で、気持ちが高揚したからこその事なのだと納得しました。


「語彙のアウトプット」の練習が大切なのは身をもって感じるところです。


これまで手紙は沢山書いてきました。

何度でも書き直せます。


しかし、相手のある会話では一度口に出しますと、無かった事には出来ません。


私の住みます団地の会合で私と話していた男性が、

「若い頃ドイツや中東に赴任していました。」と、おっしゃったので

「華やかな人生を送られて来ましたね」

と言いたかったのですが、とっさに言葉が出ず

「派手な人生でしたね」と言ってしまって苦笑されました。


まさにP.147の通り“嘲笑”の対象でした。


また、テレビで印象的な場面がありました。

歴女で有名な女優さんです。

彼女が良く知る歴史上の人物について司会者から尋ねられ、さも朗々と語るだろうと期待して待ちます。


ところが、しどろもどろ。

頭にある知識を、言葉に出来ないもどかしさが溢れて、気の毒でした。


(P231)「国語教育で仕事の能率が良くなる」事例は驚きです。


体が食物で成長する様に、脳には言葉をどんどん与えて、人間性を高める事が、大切なのだと理解出来ます。


何より(P230)「教養をひけらかすほうが人間としてどうなの」

(P188)「教養なんてどうでもいいじゃん」

と憎まれ口を言う人にこそ、読んで欲しい本と思えます。

ところが、この本を手に取る人は、すでに言葉への関心がある人です。

ここが唯一、悩ましいところです。


心底では「教養のある方が良いに決まってる。本当はそんな人間になりたい」と思っているはずです。

彼女はもう素直になれる年齢でなくなり、嫉妬心と劣等感が言わせた捨て台詞です。


人は誰もが元々「良心」を持って生まれてきているのです。一歳未満の赤ちゃんの時から物事の善悪の判断ができると研究結果が出ています。その心は赤ちゃんのその後の育ちで変化してしまいます。赤ちゃんの側にいつも居る人に自然と感化されていきますから。


素直さを無くし斜に構える年齢になる前に本と接する機会が必要です。


(P235)では女性に発破をかけていらっしゃいます。

若い時、美男美女に惹かれるのは、仕方ない事でしょう。

お互い様ではないでしょうか。


成熟する女性になる為の、通過点と思し召して、御許しの程を。


結婚したい年齢になりましたら(P234)「教養のない薄っぺらいイケメン」は賢明な女性にとっては選択肢にありません。


でも「教養・知性」で選ぶのでは無く、女性脳は子育てするのに信頼出来るか判断しながら相手を選ぶそうです。


将来リスクを正確に予測し備える事が出来る現実的な脳です。(中野信子著『脳はどこまでコントロールできるか』参考)


もっとも「教養と知性」のある男性が、それに近い存在と言えるでしょうが……。


そして心を寄せる男性が出来ると

“声を掛けて欲しい”様な素振り!で、誘います。


女は想像以上に男女の関係に賢く立ち回り、あらゆるたくらみで男を誘導する生き物です。


そこで、男性が女性を誘わなければいけません。

今、それが出来ない男性が問題です。

スマホで脳の劣化が心配され、デートが「めんどくさい」「うざい」事になっています。(加藤俊徳「脳コンディショニング」参考)


美少女ゲームの中の少女に満足し、生身の女性と付き合わない、40歳のエリート男性もいます。


どうか「デートに誘え!」

「断られても次がある⁉」と けしかけて下さい。


長々と とりとめのない話を書いてしまいました。

文中、失礼がありましたら何卒御許し下さい。

浅はかな素人考えと、読み捨てて頂けましたら 有難いと存じます。


齋藤先生におかれましては、今後とも私達に指針をお与え下さいます様、ますますの御活躍をお祈り申し上げます。


ありがとうございました。

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