有栖川有栖『鍵のかかった男』かつての勤め先界隈を思い浮かべながらの読書に。本についていた葉書に感想文を書く

かつて勤めていた中之島の 馴染んできた風景と共にその時の私が思い出されます。


練り上げられたストーリーから目が離せず、その上、趣のある言い回しや熟語にも気を取られますので、その都度書き留め、また難解な言葉は辞書と首っ引きで読み、なんとも忙しい読書でした。


話し言葉のやり取りでは、大阪の漫才風ボケとツッコミの掛け合いあり、時代劇風ありと、テンポ良く軽妙で楽しく読みました。


「独り言めかして呟く」(P202.P232)は「ひとりごちた」の方が収まりが良さそうです。


電車内の若者と老人のトラブルは、現実的でなくドラマの様です。「これはないな」と冷めた感情で読んでしまいました。他人同士が大勢の面前で、あからさまに席の事で口論するなど極力避けるでしょう。


その代わりの意思表示に、座っている若者の前に老人がこれ見よがしに立つ姿はよく見掛けますし、又その若者はすかさず無言で立ち去ります。


…………


私の浅い読書力では汲み取れない奥深さがあるはず。

なのに、臆面も無く批判 がましい感想を書いて出版社に送りました。


図々しい歳になって仕舞いました!

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