メイプルグランマと三人のさんぞく
星村哲生
メイプルグランマと三人のさんぞく
メイプルグランマは
メイプルグランマは
メイプルグランマのお
「ふう、ふう、さいきん
メイプルグランマはおじいさんが
「ふう、やっと
メイプルグランマは
そこにおじいさんがいるわけではないのですが、そうしているとひょっこりおじいさんが
そうでなくてもおじいさんがむすっとした
「サトウカエデさん、ごめんなさい。それからありがとうございます」
かつん、かつん、ごりごりごり。
メイプルグランマはのみと
そこにバケツをくくりつけます。
そうすると、ちょろちょろ、ちょろちょろと
メイプルグランマはサトウカエデの
「ふう、ふう、
メイプルグランマは
こんどは
たきぎは
こうすることで、
「ふう、できた。ありがとうございます」
シロップができてからようやくごはん。
メイプルグランマはパンやスコーンに
「きょねんのはもうのこりすくないわね。
あら、もうこんなじかん。おじいさん、ありがとうございます。それからおやすみなさい」
メイプルグランマはたなにかざってあるおじいさんの
そうやって
そんなある
「おい、はらがへったぞ」
「おれもだ」
「めしくったのは
タギーは
「しかしさむいな」
「ああ、あったまりてえぜ」
「おい、みんな、あれを
ブランビイが
「おい、だれかいるぜ」
「
「ああ、めしにありつけるかもしれねえ、いってみようぜ」
「なんだ、やせオオカミか」
「
「くいものをもってたらよこせ」
オオカミの
「ひいい、いのちだけはおたすけを」
「なぜにげる」タギーは
「やせオオカミなんかくってもうまくもない」ラウディーはおのをかざします。
「くいものをよこすんだ」ブランビイは
「これっぽっちか」
「しけてやがんな」
「ようじはすんだ。いのちがおしけりゃうせろ」
オオカミの
「たいしてうまくねえな」
「ぶどうしゅもすっぱいぜ」
「おい、おれにもよこせ」
パンを
「あんだけじゃかえってはらがへったぜ」
「それにのどもかわいた」
「それよりもくらくなってきた。こんやねるところをさがすぞ」
「おい、これを見ろ」
「ああ、ゆきでぼやけてるが
「だれかが
***
ふもとまで
「おい、けむりが
「ああ、なにかにたきしているしょうこだ」
「くいものがもらえる。それにねどこも」
「まあまあ、どちらさんですか?」
「なんだ、ばあさん
「おれたちははらがへってる、くいものをよこせ」
「それにねどこもない、ねるばしょをかせ」
「まあまあ、それはおこまりだこと。なにもありませんが、さあお
「さあ、なにもありませんがめしあがれ」
さんぞくたちはいただきますも
「なんだこれは」
「すごくあまいぞ」
「こんなうまいもんくったのはじめてだ」
「ありがとうございます」
メイプルグランマは
「「「ばあさん、このあまいのはいったいなんだ?」」」
「それはメイプルシロップ。わたしがつくりました」
「パンとスコーン、スープはありますけど、メイプルシロップはそれがさいごでまたつくらないと」
「なんだって?」
「もうこんなうまいもんがもうくえないのか?」
「どうしたらこのシロップはつくれるんだ?」
「これはサトウカエデの
きょうは
メイプルグランマがテーブルのおさらをあつめていると、すこしつまづいてしまいました。
ころびそうになったのを、タギーがとっさにかかえます。
「おいおい、ばあさん。なにもないところでころぶなよ」
「まあまあ、ありがとうございます」
「たまたまだ。それよりばあさん、ねどこだ」
メイプルグランマは
「ごめんなさいね、うちにおきゃくさんようのベッドがなくって。
「うん、これならぐっすりねむれる」
「ひさしぶりにのじゅくしなくてすむぜ」
「ばあさん、メイプルシロップだが」
「それだったら、あしたあさごはんをたべたらじゅえきをとりにいくわ。
さんぞくは、おやすみも
あくる
メイプルグランマはつえをついて
「ばあさん、そんなじゃ
そのあと
「はい、ありがとうございます」
それから
そしてふうふう
「ばあさん、そんなじゃ
あっというまにそりを
「はい、ありがとうございます」
メイプルグランマはかごをそりにのせてひもで
メイプルグランマは
「ばあさん、じゅえきがたまるまえにこごえちまうぜ、ちょっとまってろ」
ブランビイは
あっというまに
「はい、ありがとうございます」
メイプルグランマは、イグルーの
やがて
「これから
「いえでにつめるのか?」
「もうまてねえ」
「「「ばあさん、ちょっとまってろ」」」
タギーは
ラウディーは
ブランビイはレンガをつんで、モルタルでかためます。
「たきぎはたくさんつんである」
「これでここでじゅえきをにつめられる」
「こんどはここになべをもってこい」
メイプルグランマは
「はい、ありがとうございます」
メイプルグランマは、
***
メイプルグランマは
「おっ、これだこれだ」
「これでパンがうまくくえる」
「スコーンもだ」
三人はシロップのびんを
そこへたれ
「ここにいたの? メイプルグランマ」
「ああロップ、ここまで
「はいこれ、たのまれてたつくろいもの。
そうだ、メイプルグランマ、ここらで
パンとぶどうしゅをとられちゃったっていってたわ」
「まあ、そうなの?」
「うん、だからじけいだんが
メイプルグランマも
「そうなの、ぶっそうねえ。あなたがたも――――あら」
「あら、こんなりっぱなこやに、まきおきばにかまどまで。だれがつくってくれたの?」
メイプルグランマは
「そうねえ、とってもやさしいひとたち、かしらね」
さんぞくたちは
「じけいだんだと?」
「さっきのはなし、きけてよかったな」
「できるかぎりはなれよう」
さんぞくたちは、
「うまそうだな」
「だいじにくおう」
「ふゆにしかつくれないらしいから、ほとぼりがさめたらまたつぎのふゆにこようぜ」
さんぞくたちは、やぶをかきわけ
***
やがて
サトウカエデの
メイプルグランマはサトウカエデの
「はい、ありがとうございます」
メイプルグランマと三人のさんぞく 星村哲生 @globalvillage
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