隆二とマオ、ふたりの関係を元に物語は進んでいきます。
なんだろう、ふたりの関係は例えば純愛と呼んでもいいぐらい
やわらかくてささやかでちょっと淡いものなのだけれど、
どうしてだか純愛という言葉がすごく近いのにピンと来ない。
ふたりの関係はここにしかない特別なものだから、
それを一言でいうのにもどかしく思ってしまうのです。
ただ、愛というよりは、恋かな、というほうが
すこし幼いふたりの関係にはしっくりくる。
それを眺めているのがハラハラもするけれど
とても楽しい物語でした。
最後の最後まで物語がどっちに転ぶのか分からなくて、
でも一番最後、よかった、のではないかな。
分からないけれど。
でも私にはふたりの日々が全て報われた気がしたから、
ああよかったなあ、と、ここまで見守ってきたことを
うれしく思うのでした。