ごく普通の高校生の異世界開発記

@Servicearea

第1話 異世界へ

俺、安田安彦は平凡な男子高校生だ。


高校は県内屈指の進学校だが成績はパッとしない。

大体真ん中かそれより少し上といったところ。

容姿もどちらかと言えば良くない方に入る。

今、彼女はいないが親しい女友達はそこそこいるし、彼女がいたこともある。

バレンタインでは家族を除いても何個かは貰えるってところだ。


全部友チョコだけどな。


部活はレクリエーション部という何とも言えない部活に入っている。

(この部活は色々特殊なのだがまあいずれ説明するだろう。)


体力は普通くらいだが運動神経が悪いらしく球技はからっきしだ。

ただ、武道は幼い頃から空手をやっておりまた中学では部活で剣道をやっていたこともあり出来る方だろう。


クラス内では男子の中では二番目のカーストといったところか

一番上とも関わりはあるし、それ以外の子ともそこそこ中がいい。

女子とも(あまりしたくないが)普通に話すことができる。


趣味は歴史とゲームだろうか?


ゲームは少し前までは最近20周年を迎えたモンスターを育成して戦わせるRPGにハマっており6vだの、めざぱだの、努力値だのやっていたがネット対戦をしていて自分の才能の無さを感じ、今はボチボチってところだ。


代わりに中学時代の友達に誘われて、

ワンダーライフというVRMMORPGにハマっている。

ゲーム内では生産職をしていてこの間やっと上位に入ることができた。


生産職は地味であり、また根気がいるがめざぱ厳選に比べれば軽いもので半年かけてここまで来ることが出来たのだ。


そんなある日のこと

いつも通りゲームにログインして作業をしていたとき


突然俺の目の前が真っ暗になった。






どのくらい時間が経ったのだろう。

目を開けるとそこは見たこともない部屋だった。


「ここはどこなんだ…」

どうやら俺は寝ていたらしい。

にしても服装まで変わっているし、ベットも矢鱈豪華なものだ。


寝癖がついてないか確認しようと鏡を除く。

するとそこには

金髪のイケメンな西洋系の少年が写っていた。


「はぁ!?ちょどいうことだよ。」

[それは僕が説明します。]


一人事のはずが何故か 返事があった。

そう、鏡の中からだ。


[はじめまして、僕はケント・ウィ・ハーフスブルク

ハーフスブルク子爵家の次期当主でした。

しかし、生まれつき魂魄病という魂が弱っていく病気にかかってまして、後一年足らずで亡くなる予定だったのですが、あるものを見つけたんです。

「あるもの?」

[ええ、魔術書の写本なのですが

内容は世界を越えて魂を交換する術式でした。

僕は魔法使いとしての才能もあったのでこれを使って、強力な魂の力を借りて僕の代わりになって貰おうと思ったんです。

しかし、この術式には欠点がありましてね。

抵抗力の低い魂じゃないと受け付けないんですよ。

そして術式をかけるのに半年ほどかかるのです。

しかも、その間に魂が強くなって貰わないといけない。

ですからラッキーでした。貴方という魂を見つけられて]

「つまり、俺はアンタの我儘に付き合わされて異世界へ飛ばされたってことか?」

[そのことについてはどうかお許しください。

僕の勝手で貴方を巻き込んでしまったことは申し訳なく思っています。]

「そうかい、まあ異世界には興味があったからな別にいいよ。

それで俺に何をして欲しいんだ?]

[貴方には僕の代わりに子爵家の開発をして欲しいのです。

勿論少しの命ですが僕もお手伝いします。

この鏡台の真ん中の引き出しを開けてみてください。]



引き出しを開けると中には羊皮紙が紐で纏められたものが入っていた。




[その中にはこの世界のことやこの家のことなどこの世界で生きていくのに必要なことが書いてあります。

一応後数年は僕が裏人格として助けることが出来ますが…]

「お前はこの鏡の中にいるのか?」

[ええ、普段は

とはいえ貴方に体を返してもらう形で動くことも出来ますがそうすると寿命が縮んでしまうので…]

「まあ、仕方ないか…

そういえば俺は向こうの世界ではどういう扱いになるんだ?」

[魂が抜かれた状態なので植物状態になりますね。]

「くそっ、マジかよ。ああ、でもVR中だったから時間加速がされてるか…」

[なんですそれは?]

「俺らの世界にある玩具だよ。

仮想世界っていう別の世界に魂だけを飛ばすんだ。

その間はさっきお前が言ったような状況になるがその時間が続くと身体に悪影響が出るからな。

魂を飛ばしている世界では現実の何万倍のスピードで時間が流れてるんだ。」

[なんと、都合のいい…

おそらくこの身体が死ぬと僕は天国にそして貴方は元の世界に戻される筈ですから…]

「つまり俺は二度人生を送れるって訳か

そう考えれば悪い話じゃないな。」

[そう言ってもらえると大変ありがたいです。ではこれからよろしくお願いしますね。


えっと…]

「そう言えば名乗るのを忘れてたな。

俺は安田安彦よろしくな。

ヤスでいいよ。」

[よろしくお願いしますヤス。僕のこともケントと呼んでください。]


こうして俺とケントの異世界生活が始まったのだ。

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