第3話 桜と月

桜並木に着く頃には満月と桜が重なり幻想的な光景を目にする姫羅


ベンチに腰掛けながら見上げるが涙が止まるはずもなく涙ににじんでみな光景がぼやけるのだった。


ヒュー


生暖かい風が吹くと桜が舞い散る

姫羅が気が付けば横にはシルバークレイの髪の男性が腰掛けていた


「美しい光景だな・・・・・・」

「うっ・・・・・・はい・・・・・・」

「そなたの涙も美しいぞ・・・・・・」

「くっ!!」

「心の傷はいずれ消える、今は我が胸を貸せてやろう・・・」


その男性は私を抱きしめてくれるのだった

私は悲しさに負け誰れか分からない人の胸で泣くのだった

私が泣き止むと男性は私の顎を引き寄せ覗き込む・・・・・・・・


「!!」

「そなたの瞳は美しい・・・・・何も濁りのない瞳・・・・・・」

「っ・・・!!」


私は男性から離れるのだった


「ふふ・・・純粋なのだな」

「胸をお貸し頂き、あ、有難うございます」

「もう遅い・・・家まで送るぞ」


男性は手を差し伸べるのだった

なぜか私はその男性の手を取ってしまう

なぜだろう・・・・・・・

この人懐かしい感じがする・・・・・・・・


「ではな・・・・・・また会おうぞ姫羅」

「えっ・・・・・・私の名を何故?」


振り返るともうその男性は居なかった


・・・・・・・・・・・・。

やはり桜の木の精霊なのかな・・・・・・・

私は部屋から月を眺めながらなぜかあの男性のことを思い出すのだった


「綺麗だったな~月明かりで髪が輝いて・・・・・・」


気が付けば私は夢の中に・・・・・・・

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鬼の花嫁 青い月 @SUNA

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