第4話 l甦って
恐山のいたこが死霊を呼び寄せて現身の縁者と会話させる。いたこの口寄せは生者が頼る唯一の再会のチャネルである。このチャネルを写し取って普遍化する。これは壮大な仕事だ。
霊は見えないもの、それを可視化する.まずは、墓から死霊を引き出さねばと、演劇人たちは、壮大な祭りを催した。春、夏、秋と三大祭りが繰り広げられた。成仏している霊も、幽界をさ迷っている霊も、祭り見物に来てもらわねばならない。その姿を可視化せねばと、霊波に波長を合わせる。墓はその波に揺れる。感応しているのだ。その波の姿を映像化する。これをいたこにも提供する。
いたこの語りとこの映像を参拝している縁者に提供する。この間、僧侶の読経が営まれる。生者と死者の再会である。これまでのような一方的な法要でも供養でもない。生死合一の世界が出現する。これが映画化すれば寺も墓も参詣者で賑やかになること疑いない。
墓 @yumetarou
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