MEMEの 車中ウォッチング

るりり

第1話 スケッチ君をウォッチング


前に座ったサラリーマン風男性がしょっちゅう大あくびをするものだから、私も移ってしまってあくびに堪えるのにヒト苦労。


その隣が「宇宙防衛隊」(昔、テレビで登場していたアメリカのアニメの・・、なんていう題名だったかなぁ・・・?) のような白いステッチだらけの服を着ている今風の男性。

細い眼鏡が神経質そう。

・・・・と、ぶわんぶわんの金髪を揺らせたグラマーちゃんが颯爽と乗ってきて、眼鏡の斜め前に座った。(つまり、私と家人の左隣)

そのとたんに、細眼鏡の目がキランと光ったのを素早くキャッチしたぞ!


その金髪さん、目が付け睫やアイラインで真っ黒け!

どこに眼球が存在するかが分からない状態・・・。


暫くすると、細眼鏡君がポケットから小さい本(だと思う)を取り出して、仕事上のメモを取る感じで何やら描き出した。

しかしどうもオカシイ・・・。

チラリチラリと目だけを動かして金髪さんを観察している模様、どうやらスケッチしているらしい。

金髪さんは携帯を打つ方に気が行っていて、細眼鏡君の「チラリ」には気付く様子もない。

さては、スケッチウォッチングの常習犯か?

そうなると、私はウォッチング君のウォッチング・・・、ご同輩!!


降り際、よろける風を装ってスケッチを見ようとしたが、微妙に身体で防御されて見えなかった。残念!

それにしても、車中で盗みスケッチなんぞして良いのかなぁ・・!?

金髪さんが可愛かったから?


・・・と、電車の中はウォッチングの材料に事欠かない! 


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