古参と新参 老練者と未熟者 親と子

保育園を立ち上げた頃、彼女は保育士資格も持たない素人でした。新聞の土曜版掲載記事です。

『保育園長の集まりで20代の自分は目立った。「若い子がノリでやれるほど甘くない」とベテランに言われて、負けん気に火がついた。』

今では、どろんこ保育園を東北・関東に24園運営する女性理事長です。


子供を預ける保護者は「田舎の実家で元気に遊ばせるイメージ」と言います。

保育士不足と言われるなか、この保育園で350人の募集を募ったところ、1250人の応募があったと言います。


明らかに従来型の保育に、現場で働いてきた保育士が、態度で異議申し立てしていると言えそうです。


こちらは政治家2年目の新人。

「政治のことに関しては、ややまだ素人っぽいところがあると思うんです。そんなとんがった話をあっちこっちで、しょっちゅうやるもんじゃない」(与党 幹事長)


東京都知事側近の議員が離党もあり得ると発言していることに、与党幹事長が厳しく批判しました。


この議員は2014年に衆議院議員に初当選してからまだ2年です。


職場の新入社員同様、新人や素人と言われるぐらいの頃は、覇気があり理想に燃えやる気がみなぎります。


それを阻むのが古参。

多くを経験し百戦錬磨の強者と渡り合い『水清ければ魚棲まず』を知ると、上手く世渡りする老練者になります。


新参者の為を思ってか、はたまた我が身への不利益になると思ってか定かでない進言ですが、

まだその失敗を経験していない若い心には、年長者の言葉は響かない。


その代わり彼らの行動には希望と前進があります。たとえ挫折失敗し痛い目に遭い、忠告の言葉がこれだったのかと気づいたとしても、その経験が血肉になって、また前へ進もうとします。

この心意気は若い心にしかありません。


家庭の中の親子関係と同じだと思ったものです。

親は子供の人生が悦びに満ちたものであって欲しいと願っています。

親は過去の自身の経験から、子供の安易な勉強姿勢や進路決定にその先の結果が思いやられ、つい口出ししてしまいます。


中・高校生になると、親の言うことに逆らう言葉しか出てきません。腹立たしいやら情けないやらですが、親自身も昔の自分を省みていたしかたないと、ハラハラしながら見守ります。


後に、我が子が社会に認められるほど華々しい事をやってのけ、仰天する事になるかもしれません。


あるいは、成長した我が子が「あの時もっと勉強してればなぁ~」と親と同じ事を思うのかもしれません。

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