結婚当初、鬱気味で不機嫌な妻に忍耐強く付き合った夫
夫がとうもろこしにかぶりつくと、前歯がポッキリ!
欠けた前歯を持って私に「歯が欠けた…💦」としょんぼり告げます。
でもその顔が『天才バカボン』のレレレのおじさんの歯抜けの顔にそっくり。
私は大笑いしてしまいます。
夫は私の気持ちにのってくれます。
箒(ほうき)を持って掃除をする真似をします。「レレレのレー」
なにせ私ときたら、30年前悲観的に物事を考える鬱気味な人間でした。
夫は大人数の家族、笑いの多い育ち方をしてきた幸せな人です。
結婚当初、夫の笑いのノリを「バカな人」と冷たい目で見るだけの私でした。
「こんなはずでは…」と夫は後悔したはずです。楽しい家庭は築けません。
こんな私から逃げ出したかったに違いありません。
毎日の勤めが一端二人を離し、夫は気持ちをリセット。「昨日の二人を忘れて今日から夫婦をやり直そう。」と前向きに思い直していました。
そんな夫のポジに対してネガの私。
私も勤めていましたが、新居から一時間半の距離の往復で、夫より遅い帰宅。草臥れ果てその上帰宅後の夕食作りでいつも不機嫌。
気分は落ち込むばかり。
二人の気持ちは噛み合いません。
いっそ別れた方がどれ程楽かと思いはするものの、勤め先や親への言い訳や後始末に大きなエネルギーが必要なことを考えると簡単な事ではありません。
この正念場を乗り越えるべく努力するのは夫ばかり。
勤めから帰れば必ず明るく振る舞い、冗談を言い、塞ぎ込む私を明るくしようと努めます。その努力に、これまた答えようと努力しない愚かな私でした。
忍耐強い夫のお蔭で今があります。
テレビのバラエイティ番組で大笑いする夫。それについ乗せられて笑える様になっていました。
すると心をキュッと締め付けていたタガが外れる様に、軽やかな気持ちが戻るのは不思議でした。
理屈抜きに『笑い』は塞ぐ気持ちの扉を開け放します。頑固な扉も、笑う毎日を積み重ねると少しずつ開いていきます。
厳しい母がいる実家での生活とは正反対。
今では、夫の天然で少し間抜けたところが私のツッコミどころです。
容赦なく理屈で攻撃しても、夫は「それもまたおもしろきかな」といった風に受け流しています。
「あの憂鬱な妻が明るく元気になった」といった夫の安心感が伝わります。
若い頃よく聴いていたリタ・クーリッジが歌う「Slow dancer」の曲の一節に次の言葉があります。(ボズ・スキャッグスの曲をカバー)
Only you can set me free
あなただけが私を自由にしてくれる。
私の心を開放してくれる。
お見合いで結婚した頼り無さそうな人でしたが今では彼のそばで自由な心です。
辛い状況の御夫婦なら、奥様から、または旦那様から『笑い』を作ってみてください。
相手を笑わせるのでは無く、自分自身が心底可笑しそうにする…例えば、テレビで漫才に笑うだけでもその場の空気が和らぎます。
一日一善ならぬ一日一笑。
どちらかが、変われば変化は起きてきます。
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