ぬいぐるみウサギとバービー人形

娘が4才の孫娘を連れてやって来ます。

小さなウサギのぬいぐるみ🐰を片手に抱っこしています。


私はその姿を見て、母親になった娘も、その昔お気に入りのウサギ🐰のぬいぐるみを抱っこして家で遊んでいたのを思い出しました。


2才になろうかというのに哺乳瓶で牛乳を飲んでいましたが、私は放ったらかし。


上の子の幼稚園の家庭訪問の日の事です。

先生が訪ねてこられ、5才の姉と一緒に妹も先生の前に顔を出します。

片手にウサギ🐰、片手に哺乳瓶のいで立ちです。


先生が思わず「まあ!大きいのに哺乳瓶持って赤ちゃんみたいね!」と、鋭いご指摘。


さすがの彼女も見ず知らずの人からの言葉に恥ずかしくなったのか、次の日からピタリと哺乳瓶を持たなくなりました。


30年近く前のウサギ🐰、何処かに仕舞い込んだはず…と探し始めます。


ありました、ありました!

すっかりピンク色があせ、首や腕の縫い目もほつれ、毛も剥げ落ち見る影もありません。


孫に「ママが小さかった頃、このウサギさんと遊んだよ」と伝えると、大事そうに抱きます。

彼女の胸に去来したものがあったのでしょう。

新旧のウサギ2匹と家に帰っていきました。

30才のウサギもまた日の目を見るとは思わなかったでしょう。


子供が熱中して遊んだオモチャは捨てがたく、物置や押入れに詰め込みます。

そのうち忘れて、この様に 30年の月日が経ってしまいました。


今度は、いつか息子の子供が産まれたら、昔遊んだレゴブロックを引きずり出す算段でいますが、いつになるやら。


小学校6年生の時、一心不乱に戦闘機や戦艦を組み立てたプラモデルも、壊さないよう大事に仕舞っています。


作っている時の小さな息子の気持ちがオモチャに込められている、という感傷的な親心が、どうしてもそれをゴミにさせません。


こうして、ガラクタと言われる物が溜まっていきます。


いずれ子供達に「こんなもの捨てなさい!」と言われるのでしょう。

私が86歳の母に言う様に。


でも残念なのが…

50年前、私が小学生の頃、バービー人形が流行し買って貰いました。とてもグラマラスなスタイルで目付きもセクシーです。

何年か前、その人形に10万円の値段が付いているのをテレビ画面で見つけます。


すぐ実家の母にまだ有るのか聞いてみましたが、「そんなものあるわけ無い!」と一蹴されました。

ハハハ(笑)欲に目がくらみました。





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