「私」は先祖にとって大切な遺産 『むなしさの心理学』諸富祥彦著

母親の期待に添う「よい子」を幼い頃から演じ続けてきた私です。

年頃になると傀儡の様に操られてきた心の上に自我が目覚めても、自分が自分自身でない様な感覚に襲われます。


結婚後は子育てに追われ目まぐるしい毎日でしたが、急に「むなしさ」に襲われ無気力で鬱々とする日が続きます。


周期があるように、幾度となく訪れ辛い日々でした。


そんなとき

『〈むなしさ〉の心理学』諸富祥彦著

が、苦しみから救ってくれました。

著者はヴィクトール・フランクルの『夜と霧』を紹介しています。


諸富祥彦(もろとみ よしひこ)氏自身も人生の意味を求めて苦しんでいらっしゃいましたが、ビクトール・フランクルの著書『夜と霧』に書かれていた「人間は人生から問いかけられている」という言葉がストンと入ってきて、悩みは解決しないが悩む必要が無くなり消え去った。というのです。


「あなたは何をしたいか」ではなく

「あなたは何を求められているか」


「なにがあなたになされるのを待っているか」と問うている。


救いの手がかりがありそうで、むさぼる様に読みました。心が解き放たれ安堵しました。


もっと早く、この本に出会えていたなら…と、思うものの、若い時は心に入って来なかったかもしれません。


人生を長く生きてきて、過去を振り返る事があってこそ、この言葉を私なりに理解、咀嚼する事が出来た様に思います。


私が一人で居る時間が好きなこと、手紙を書くこと、本を読むこと、知らない人にもお節介なところ、カバンにいつも飴が入っていること!?、掃除洗濯は嫌いでもキレイ好きなところ、負けず嫌いなところ…


私の長所短所は、すべて先祖が私に遺した体と心。彼らが私を動かしている。

素直に考え行動していれば良い。


私は先祖達にとって大切な遺産。


フランクルの言わんとするところから的外れになってしまっています。それでも、私が納得する考え方へと導かれたと確信します。


私は私のままで良い。

意欲、希望が湧いてくる頼りになる本に出会えた事は幸運でした。

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