親の戦争体験からまだ70年余り

妹の夫の父親が亡くなりました。

葬儀で、ご長男が挨拶された言葉です。


「ビルマ(ミャンマー)に出兵していた父は、近年、ミャンマーに出掛けたいと申しておりましたが、叶いませんでした。」と。


多分、体が元気な50歳代頃はビルマが軍事政権下で、足を踏み入れる事が出来ない事情があったでしょう。


親が80歳、90歳になり、子供が50~60歳になると、心に閉ざした戦争体験も話せるのでしょうか。


先日、実家に帰った時、初めて、母から戦時中の体験談を聞きました。


「戦争中は、勉強も出来ず、勤労動員で、働いた。先生は、真顔で“日本が負けそうになれば、神風が吹いて必ず日本が勝利する”

と生徒に断言した。私達はその言葉を信じたのだから、全く恐ろしい時代だった。」


「一緒に働いた友達が原爆で亡くなった。」

教科書に載る歴史が彼女の中にあります。


「食べるものが無くて、芋のツルばかり食べていた。なので、今でもさつま芋は食べたくない。」


私が「有名店の『いも羊羮』を並んで買った」と、もったいぶって母に言ったところで

「ただのさつまいも!」

と切り捨て、一切口にしません。


戦争中、青春期を過ごした事は理解していましたが、母の口から聞いて、さつまいも1つからさえ、私には分からない辛さや哀しみをかかえていると感じます。


また、日中戦争を、母は“日華事変”と、呼んでいました。国家統制が始まります。

そこから、大平洋戦争に拡大しますから、若い時分を戦争真っ只中に居たことになります。


百田尚樹著『永遠の0』を読んだばかりで、戦争に思いをめぐらす時間がありました。


その第二次大戦からまだ70年。

若いお母さんが「将来、子供が戦争に駆り出されるかもしれない」と極度に心配する法律が成立していきます。

(武力攻撃事態法改正2014.7)(集団的自衛権が行使出来る安保関連法案施行2016.3)

この上に憲法改正が待ちます。


その安保関連法廃止を求めて、老若男女がデモ行進。


「日本人は不満を漏らすだけ。アメリカ人は文句を言う前に行動する。」とアメリカ人女性が言ったそうですが、変化してきています。


家庭で夫婦が意見交換し熱くなるのは、子供に良い影響を与えられます。

「国会で何話してるの?」と夫に聴いてみることから夫婦が話し始めれば、それを子供は耳にしています。


“政治・経済について普段から話すもの”

と子供達が知れば、成人するのを待たずとも選挙に関心を持ち、投票に足が向きます。

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