夫に感謝 (私を笑わせてくれる人)

生真面目で、お人好し、趣味も無い。


お見合いの時、夫の印象は「面白味の無い人」でした。かく言う自分の事は棚に上げて…。

ただ、気負い無く心安く話せる人で、時々冗談を言って私を笑わせてくれます。


父を早くに亡くしていますので、母に心配掛けない様に…と、半ば諦め半分の結婚で新婚生活は無気力なものでした。


思えば、結婚当時の私の気持ちを、彼は見透かしていたのかもしれません。


そんな私から、彼も気持ちが離れそうになっていたのでしょう。

「僕はあなたが大好きだけど、君はどお?」と、しょっちゅう聞いてきました。


彼の言葉は「自分は彼女を愛している」と、自己暗示をかけて不安感を払拭し、家庭を守ろうとしてくれているものでした。


結婚したからには私を思う気持ちに迷いを持たず素直に一途になろうとする夫でした。


彼の気持ちを汲み取れず、私といったら

「嫌だ辛い」と思いながら現状に流され繰り返す毎日に、気力を失っていました。


夫婦を続けるには、二人で努力しなければいけない事など気付かない人間でした。


彼は、いつも家族とは笑っていたい、と思っている人です。


その根気強い努力が私に伝わらない訳は無く、慈しみと、ねぎらいの感情が湧いてきます。

お陰で、確執のあった母とも、冷静な気持ちで対応することが出来るようになりました。


彼には感謝するばかりです。


情熱的な感情から始まった結婚ではありませんでしたが、この人と、結婚して良かったと心から思っています。

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