エピローグ

 ――。


 ――。


 ――俺の新たなスタートの場所となった、とある屋上から移動する時。

 "物語"の始まる、その時。

「…ったく…これからどうすりゃいいんだ? 頼むのか? 買うのか? いや喫茶店とか入ったら羽根が…って羽根あるからダメじゃねーかうわぁどうするよいきなり前途多難」

「……?…あぁ、羽根ですか。……たしかに…アナタのように私のことが見える方がいたらややこしいことになりますね…」

「全くよー、なんでショートケーキなんだよ…?」

「え?なんでって…なぜか私、"甘いものはショートケーキ"と覚えておりましたので」

「お前…甘党か」

「勿論です。甘さは世界を救うのです――って、あ、そうだ」

「ん?なんだ?」

 たしか、その時だった。

 珍しく、あいつが予想外なことを言ったのは。

「この世界も、ショートケーキのように甘さが広がっているですか?」


 "物語"の始まり。

「…この世界が初めてな君に、かっこつけまくった最高のキメゼリフを教えよう」

 天使のこの質問に対しての俺の返答で、"始まり"は動き出す。

「……はい?」


 俺達の"物語"のスタートライン。俺は、こう言った。


「僕等が思っている程、



 そんなに世界は、甘くない」







 完。

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そんなに世界は甘くない。 嗚呼原 旅歌 @ryouta_aahara

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