現の蝶 設定集
世界観・用語
【世界観】
・舞台は二〇五〇年の日本。クローン技術が発展し、人間が簡単にクローンとして生まれ変わることが出来る時代。街にはクローンと人間が入り混じっている状態である。
政府はクローン自体を敵視。また蝶の上層部も同じくクローンを敵視している。
相次ぐ暴走事件により、街の人間達はクローンを撲滅すべきだと日々暴動を起こしている。
【作中用語】
【クローン技術】
一つの卵子から核を取り出し、各人から採取した体細胞を直接注入するクローン技術が数十年前に存在した。しかし、それでは一つの卵子しか使えない。そこで科学者達は最初に作られたクローンから卵子を採取。
その卵子の卵細胞を分割し、特殊な環境下で増殖、成熟させることに成功した。そして無限にクローンを生み出す新技術を作り出した。
【マザー】
母体型人体生成装置。クローン製造装置。
卵型の機械の中にあるカプセルの中でクローンはつくられる。マザーの中には樹木に通じる大きなチューブが流れており、作られたクローンはそこを通って樹木へ送られ、エデンの実に収容される。
【樹木】
科学技術によって生まれた巨木。太い幹の中はマザーと通じるチューブが走っている。また、チューブの中には弱アルカリ性の液体が流れており、張り巡らされた太い枝の先には無数のエデンの実がついている。
【エデンの実】
色は真っ赤で、神話で楽園(エデン)にある禁断の果実(林檎)の形をしていることから名付けられた。
実は柔らかく非常に弾力性に富んでいる。地面へ落ちた時の衝撃を吸収するクッションの役割であり、同時にクローンの保護の役割でもある。
実の中は常に弱アルカリ性の液体に満たされていて、人間の人格データーを元による人格形成と豊富な知識を学ぶ。
クローンが必要な成長と学習を終えた時、エデンの実は枝を離れて地面へと落ちる。
地面へ落ちた実は液体と共にクローンを排出した後、溶けてしまうが落ちた枝先にはすぐに新しい実がついていくため、欠けている枝というものはない。
【NADR】
|Non Adverse Drug Reaction《ノン アドバース ドラッグ リアクション》、通称
生体を構造する細胞には広大なネットワークがある。神経系、内分泌系、免疫系の三つ。投与された薬物は血流だけではなく、そのネットワークを通じて、各器官へ届く。
しかしネットワークは無数に分岐しており、標的以外の器官にも薬物の作用が届くことがある。結果、望まない有害作用が起きてしまう。それが薬物有害反応(ADR)、副作用。
薬物のほとんどは肝臓で代謝ーー初回通過効果を受け、薬効を失ってしまう、つまりは解毒される。
肝臓での代謝を受けず、薬効を失わずに血流にのり、全身へと分布されるのは三分の一程度。NADRは肝臓での代謝を受けながらも薬効を失わせず、全身に作用させることが出来るばかりか、神経系ネットワークにも作用し有害作用をブロックする。
【クローンの暴走段階及び各レベルの症状】
レベル1:無症状。特に兆候は見られず。
レベル2:軽い頭痛、吐き気。体調不良が表れる。感情の起伏に波が出始める。
レベル3:回転性のめまい。幻聴。幻視。感情の起伏が激しくなる。瞳が赤くなったりならなかったりと明滅する。意思疎通はまだ図れる。
レベル4:感情のコントロールが不可能になり、極めて攻撃的になる。疑心暗鬼。昼夜問わずに徘徊するようになる。瞳は赤くなっている時間が長くなる。意思疎通はかろうじて図れる。
レベル5:完全に理性は失われ、手当たり次第に見かけた人や物に飛びかかる。異常なまでに力が増幅され、人の腕ならば簡単にへし折ることさえ出来てしまう。瞳は完全に赤くになり、戻ることはない。口は半開きになり、涎が垂れたまま。意思疎通は完全に図れない。
【独立守護組織 蝶の各部署について】
開発班は新たな武器や新薬の開発、研究を主とし、医療班は街の住民やメンバーの治療や開発班と手を組んでの新薬の開発、研究。
処理班は遺体の埋葬や遺留品、ラボに提供されたオリジナルの体細胞の処分等、調査班は支部の状況把握や危険地帯での隠密行動を主としている。
現の蝶 鮎弓千景 @a_chikage
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