フードポルノ
辻憂(つじうい)
アイスクリーム
寒い日に食べるアイスのオツさ加減は、冷えという冷えを体の内側でまで体感する自傷と季節を痛感する心にあると思われる。たっぷりの乳脂肪分が含まれた口の中に広がるコク。脳の性的快楽を感じる部位と甘みを感じる部位は似通っている。おそらくは砂糖が麻薬であると冗談交じりに語られる理由である。
一口食べれば脳に性的快楽にも似た甘みの報酬が与えられ、不健康な身体の幸福がもたらされる。ビタミンやミネラルが少なくカロリーのみ高い食物は俗にエンプティカロリーと呼ばれており、浅ましく快楽を貪るためにのみ存在する食物にはこの呼称がよく似合う。アイスクリームを眼前にして人類に貴賎はなく、そこには浅ましく甘みに耽溺する恥知らずがいるのみである。
フードポルノ 辻憂(つじうい) @tujiui
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。フードポルノの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます