生きた人間の恐ろしさが詰め込まれている

一人称を使いグロテスクな部分もあるのだが、巧みな筆の力なのか、第一に哀れさが迫る。咎のない人ですら己の物差しにあてはめて、その飛び出した、または曲がったと見える頭を「汚れたカナヅチ」で叩き潰し平らに埋めていく、という人間心理の恐ろしさが、まさにホラー。生きている人間がやはり、一番恐ろしい。

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